Together To The Stars / As We Wither
スウェーデンのポストブラックメタルバンドによる2作目フルレングス。
悲壮感よりも仄かに明るい切なさが強調された作風で、ブラックゲイズに少しリンクはしていますが、個人的にはSkyforest周辺に類似性を見出だせます。
カスカディアンブラックの様相も垣間見ることができますが、あまり土着的な匂いを漂わせないのは面白いです。
ブラストっぽいパートで露骨にもたついて走りきれてないのは人によってはマイナスかも。
音楽性の基盤として、もたつく粗いドラムに悲しげなメロディーが乗っかり絶叫が走るのはM-1“Respire”から象徴しており、M-2“Bioluminescence”もその方向を引き継いで作品を固定しています。
少しゆったりめのドラムに大きく渦を巻くギターメロディーで天へと昇っていくようなM-3“Wither”、乱舞するブライトなトレモロが星空を彷彿とさせる光が放射していく中で悲壮感のある叫びが木霊するM-4“Forgotten Tongue”、重心を落として艶かしいベースラインとドラムでニューウェイヴ的な世界を構築しているM-5“Som hangandes fran varlden”を序曲にして一気にトレモロを炸裂させる美しさと鬱屈を孕んで展開させるM-6“Endeavour”と、一辺倒ながらもメロディーを強調した作風なので聴きづらさはないですね。
とは言え、大曲志向なので馴れない人には少しきついかもしれません。
特筆できる独自性はないにしろ、悪くないです。
何故かビルの屋上から見る朝焼けを想像する作品でした。
1. Respire ★
2. Bioluminescence
3. Wither
4. Forgotten Tongue
5. Som hangandes fran varlden
6. Endeavour
(2020/Northern Silence Productions)
Time/44:44