むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Deathwhite / Grave Image

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Deathwhite / Grave Image


USのメロディックドゥーム/ゴシックメタルバンドによる2作目フルレングス。


イニシャルだけの謎めいた3人組ですが、彼等の音楽性は、Katatoniaに通じる声質もJonas Renkseによく似た沈鬱な歌をNovembers Doomのようなプログレッシヴデスメタルが如き重たく攻撃的な演奏に合わせたもの。
妖艶で美しい叙情を主軸に、躍動的な要素を織り交ぜて悠然と聴かせるタイプです。
瞬間風速の攻撃性こそないものの、非常にメリハリの効いた展開で、静と動を巧みに切り替えてくる為、冗長さはありません。
何せ開幕からの霧が覆い隠すような分厚いギターがM-1“Funeral Ground”の陰鬱な叙情性で一気に引き込む吸引力があります。
バタついたドラムが重厚なリフに牽引されて妖しい歌メロと絡みつく神秘的なM-2“In Eclipse”、伸びやかな歌声を支える表情を変え続けるリフが印象的なM-3“Further From Salvation”、雲が垂れる灰色の世界を表現する鬱々としたメロディーがゆっくり耳に滑り込むM-4“Grave Image”を経て勇壮さを仄かに感じさせる朗々とした歌声が響くM-5“Among Us”の統一された美意識が素晴らしい。
作中最もキャッチーと言える鈍色のギターが疾走するM-6“Words Of Dead Men”、浮遊感のある音色が一気に地獄へと突き落とされるゴシックの色合いを帯びたドゥームM-7“No Horizon”、躍動するドラムが胎動を止めたかと思えば荒ぶって幕を降ろす神経に障るギターも耳に残るM-9“A Servant”と、後半の方が割と緩急がはっきりしています。
陰鬱な作品ではありますが、幽玄と言うには力強すぎる作風のため地味と言えば地味です。
KatatoniaやSwallow The Sunに比肩するポテンシャルはあると思うので、育っていくのが楽しみな作品ですね。


1. Funeral Ground
2. In Eclipse
3. Further From Salvation
4. Grave Image
5. Among Us
6. Words Of Dead Men
7. No Horizon ★
8. Plague Of Virtue
9. A Servant
10. Return To Silence
(2020/Season of Mist)
Time/48:48