むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

「傑作!」を連発するレビューブログを目指しています。コメントは記事ページから書込・閲覧頂けます。

Mother of All / Age of the Solipsist

f:id:bluecelosia:20211018001118j:plain
Mother of All / Age of the Solipsist


デンマークメロディック・デスメタルアクトによる初フルレングス。



Myrkurのライヴにも帯同していたMartin Haumannによる独りバンドです。
ベースにTestament/元DeathのSteve DiGiorgio、ギターにFrederik Jensenなる人物を迎えています。ヴォーカルとドラムはMartin本人。
90年代スウェーデンメロデスを参照した路線の作品です。イエテボリ系という奴ですね。過去のEPではもっとブラックメタル寄りのスタイルでしたが、今作では歯切れの良いドラムと叙情性を際立たせたメロデスを聴かせてくれます。
アコースティックなパートと獰猛なリフワークで緩急を作り熱狂に落とし込むM'1“Autumn”の破壊力が全体を印象づけています。
スラッシーな疾走感と重量感のある刻みが快感のM-2“We Don't Agree”、立体的なリフを構築してメロディーを際立たせた奇妙な拍が面白いM'3“Curators of Our World”の冒頭で既に狂騒しています。
少しルーズなフレーズでハードロック寄りのグルーヴで聴かせるM-4“Age of the Solipsist”、テンポを落として重圧感を増したリフの隙間から立ち上る流麗なギターが雅なM-5“Age of the Solipsist”、一転してリフでメロディーを辛口に仕立ててドライヴ感を重視したM-6“Blood Still Owed”、冷たく邪悪なギターが吹き荒れる中をハーシュなスクリームとクリーンがユニゾンするドラマチックなM-7“Feel the Pain”で唐突に終わります。
まとまりのある作品ですが、7曲で30分に満たないので、ボリュームのあるアルバムではありません。物足りないのが最大のネックです。
ですが、“Autumn”の絶対的アンセム感は素晴らしく、構成もいいのでついリピートしてしまう中毒性はありますね。
叙情的なメロデスが好きな人にはオススメしやすい作品です。


1. Autumn ★
2. We Don't Agree
3. Curators of Our World
4. Age of the Solipsist
5. At the Edge of a Dream
6. Blood Still Owed
7. Feel the Pain
(2021/Black Lion Records)
Time/29:09

Score:8.7/10


www.youtube.com