Great American Ghost / Power Through Terror
USのハードコアバンドによる3作目フルレングス。
初めて聴きましたが、徹頭徹尾テンションの高い作品です。
混沌を産み出す怒りをぶちまけた作風でありながらも軸となっているのは叙情派に近いメランコリックなメロディー感とぎちぎちに絞り上げた絶叫のままやけに流麗に歌い上げる様は、ノイズを混ぜつつ爆縮するM-1“Rat King”、ソリッドなリフで刻みつけながら叙情性も保持したままのM-2“Prison Of Hate”から一貫しています。
急転直下のビートダウンに突き落とされてのたうち回るM-3“Alter Of Snakes”、小気味良く疾走しながら重量感と鋭利さを同居させたリフと冷たいメロディーが快感を呼ぶM-4“Power Through Terror”、更に衝動的にガツガツとしたドラムで蹴飛ばされながら冷たくもキャッチーなコーラスに雪崩れるM-5“Rivers Of Blood”と、様々な表情を見せつつもテンションは一切落としません。
さらに速度を上げながらも縦横無尽にリフとVoが駆け回る暴虐的なM-6“Socialized Animals”、若干ドゥーミーでメタリックな鳴りとグルーヴで身体を揺らすM-7“Black Winter”、痙攣するハイハットから一気に重圧を叩きつけるビートダウンでモッシュを呼び込むM-8“Scorched Earth”、キレのあるリフと残響が木霊するコーラスがアンセミックなM-9“Warborn”を経て拍をずらすようなドラムとギターの応酬から壮絶な爆走に雪崩れていきほとんどデスコアで〆るM-10“No More”とライヴの熱狂が目に浮かぶような作品です。
Within The RuinsやKublai Khanらともツアーを回っているようで、ConvergeやThe Dillinger Escape Planといったバンドが過りながらもデスコア方面とも親交があるのは興味深いですね。
かと思えばSanctionみたいなバンドとも親和性が高そうなのもいそうでいないタイプですね。
展開がテンション高く乱高下するのが楽しい、振り落とされないようにするのも必死になる一枚です。
1. Rat King
2. Prison Of Hate
3. Alter Of Snakes
4. Power Through Terror
5. Rivers Of Blood
6. Socialized Animals ★
7. Black Winter
8. Scorched Earth
9. Warborn
10. No More
（2020/eOne）
Time/32:53
