Deserted Fear / Drowned By Humanity
ドイツのデスメタルバンドによる4作目フルレングス。
前作はメロデス2歩手前と評しましたが、今作は半歩手前くらいにまで接近しています。
北欧デスメタルっぽさは前作よりも濃く、これでもかというほどAt The Gates愛に溢れた仕様。
前作ではあまり感じられなかったジャーマンメタル由来のカッチリしたモダンな味付けが綺麗に融合していて、彼らの個性が出はじめました。
特にドラム周りは録音が良くなっていて、ブラストビートの抜けも良くていい塩梅です。
噛みつくようなグロウルや唸り、スクリームといった技を駆使するVoも進化していると思います。
実質オープニングを飾るM-2“All Will Fall”やM-5“Reflect The Storm”で聴けるフラッシーで甘すぎないメロディアスなギターが先行する楽曲は、ほぼメロデスと言っていいほどで、根底に残ったドロッとしたスウェデスっぽさが格好良さに拍車をかけています。
鈍重な圧殺感も益々磨かれており、ドラマティックなギターがアウトロに余韻を残すM-9“A Beautiful Souls”、重心低く獣のように唸るM-10“Sins From The Past”の壮絶さは以前の彼らには薄かった要素かなと。
もちろんATG愛に溢れた前のめりのドラムによるドライヴ感が心地好いM-3“An Everlasting Dawn”、冷たく荘厳なメロディーラインが悠然と迫るM-4“The Final Chapter”、やけに耳に残るリフが全面に張り巡らされた噛みつくようなM-11“Scars Of Wisdom”といった、らしさのある曲もしっかり健在。
先達の良さも吸収して飛躍した一枚だと思います。
メロデス好きな方にも自信を持って薦められる完成度も非常に高い作品ですね。
ここまでシリアス度を上げてくるとは思わなかったですが。
1. Intro
2. All Will Fall
3. An Everlasting Dawn
4. The Final Chapter
5. Reflect The Storm ★
6. Across The Open Sea
7. Welcome To Reality
8. Stench Of Misery
9. A Beautiful Soul
10. Sins From The Past
11. Scars Of Wisdom
12. Die In Vein
13. Tears Of My Throne(Re-Recording)
（2019/Century Media）
Time/47:21
