Meridian Dawn / The Fever Syndrome
US/フィンランド/ベルギーのメロディックデスメタルバンドによる初フルレングス。
Nightrageに在籍していたAntony Hamalainen（Vo）を中心にしたバンドです。
スタイルは想像される通り、メロディックデスメタル直球であり、仄かに耽美さを湛えながらも感傷を振り切るように爆走する楽曲が主軸。
Nightrage直系のデスラッシュと言っても過言ではないです。
空中を舞うようなフレーズから単音リフをまとい疾走するM-1“Iconic”から約束された「俺たちのメロディックデスメタル」感が炸裂する様は、期待を裏切りません。
印象的なリフで心を掴んでスラッシーな爆走とキャッチーなコーラスで魅せるM-2“Fever Syndrome”、重心を低めにした疾走やブレイクを挟み少しモダンに聴かせるM-3“With A Heavy Burden”、物悲しいギターで劇的な幕開けから華やかに駆け抜けていく緩急自在のM-4“God To All”、矢継ぎ早に畳み掛けられる咆哮ときらびやかなメロディーの対比が美味しいM-5“Involuntary Seclusion”と、前半から猛追をかけられるのでメロデス好きにはたまりません。
一歩引いたようにじっくりと美しくも漢臭い雄々しさを聴かせてどんどん加速するM-6“Luminescent”、微睡むような美しい冒頭を揺るがすような暴虐的かつドラマチックなM-7“It's A All Dream”、爽やかさすら漂う歌メロと無骨なドラムの上をここぞとばかりに乱舞するギターソロが飛び出すM-9“Dressed In Ice”で〆る辺り、コンパクトで潔い作品に仕上がっています。
細かい小細工などなく、メロデスのど真ん中に近い完成度な上に全ての楽曲が疾走しているので、受け入れられやすい作品です。
特筆すべき個性は乏しいにしろ、この爽快な作風は見事と言う他ないです。
1. Iconic
2. Fever Syndrome
3. With A Heavy Burden
4. God To All
5. Involuntary Seclusion
6. Luminescent
7. It's A All Dream ★
8. Thieves
9. Dressed In Ice
（2020/Seeing Red）
Time/34:34
