むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Aesmah / Waking Off The Horizon

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Aesmah / Waking Off The Horizon


フランスのメロディックデスメタルバンドによる初フルレングス。


霧あるいは朝靄の煙る湖上をゆったり漕いでいるような音像が耳につきます。
InsomniumやIn Mourningに近い音楽性であり、“Beyond”期のOmnium Gatherumを思い出すジャズの要素がそこかしこに顔を出しています。
物憂げなギターメロディーにチープな電子音が絡みつき徐々に熱を帯びるM-1&M-2“Quartz Pt.I&II”からしてInsomniumの系譜に位置することは明白。
悠然としたリズムで地に足をつけじっくりと昇りつめるM-3“Wave Of Singularity”、重たく突き落とすようなリフから一気に疾走する霧が濃くなる叙情を迸らせるM-4“Emerald Visions”、鈍いリフに華やかなシンセが乱舞しながらもじっくりと美しく残響するM-5“Nameless Echoes”に彼らの美意識を感じ取れるはず。
今作のハイライトとなるのは呪術的な詠唱を伴いながら美しさと激情を丁寧に織り上げていく約12分の叙事詩M-6“Feeding The Eclipse”であり、この曲から夜の湖上を思わせる世界に突入していきます。
荒波に揉まれる激動の乾いたドラムを泳ぐリフが堪能できるM-7“Ocean Of Veining”や腹に溜まるベースに悲しいギターが乗る悲哀と慟哭に咽ぶM-9“Hollow”と、聴かせる類いのメロデスであることは間違いないです。
曲が長いので忍耐力が要りますが、神秘的な叙情性が強い作品なので好きな人は絶対好きな作品ですね。
アートワークもイマジネーションを掻き立てられる幻想的なタッチで素敵ですね。


1. Quartz Pt.I
2. Quartz Pt.II
3. Wave Of Singularity
4. Emerald Visions ★
5. Nameless Echoes
6. Feeding The Eclipse
7. Ocean Of Veining
8. Stained Saints
9. Hollow
10. Ghosts
(2020/Apostasy)
Time/69:51