むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Azath / Through A Warren Of Shadow

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Azath / Through A Warren Of Shadow


US/カナダのデスメタルバンドによる初フルレングス。


Ripped To ShredsのAndrem Leeが在籍するバンドですが、毛色は違います。
様々なデスメタルの要素が集合しているRipped To Shredsに対して、このAzathはよりオールドスクールの、煮え滾る暗黒感が強めのものとデスラッシュが交錯する気持ちの良いスタイル。
ずるずると這い回るくぐもった録音で原初のデスメタルに近い、スラッシーなリフで切り刻まれる音像は実質オープニングであるM-2“Draconian Impalement”から聴けます。
冷たく邪悪なメロディーに甲高い悲鳴のようなギターが合わさるM-3“Mortal Sword”、かなり頻繁にリズムチェンジを繰り返しながら突貫してくるデスメタルM-4“Knights Of Chains”、ガリガリと引っ掻くようなリフで逆巻くように爆走しつつも妖しいメロディーを聴かせるM-5“Through A Warren Of Shadow”を神経を逆撫でするギターを響かせるインストM-6“Pale Light”で〆る前半に心躍らせる構成です。
ざらついたスラッシーな爆走を勢い良く轟かせるM-7“Worm Of Autumn”や作中最速を誇るスウェデスの感触もあるデスラッシュM-9“Children Of The Dead Seed”、狂おしい激しさを炸裂させながら邪悪な叙情性を迸らせるM-10“Shifting Forms”といった楽曲で、後半はスウェーデンデスメタルのような要素が色濃くなります。
北米のメンバー構成ながら、北欧デスメタルの要素が顔を出すのはなかなか面白いなと思いました。
腹に溜まる重さもしっかりある為、人によっては理想的なデスメタルだと思う方も多そうな。
竜を描いたファンタジックなアートワークもかっこいいので、飾りたくなりますね。


1. Into The Charnel
2. Draconian Impalement
3. Mortal Sword
4. Knights Of Chains
5. Through A Warren Of Shadow
6. Pale Light
7. Worm Of Autumn
8. The Whirlwind
9. Children Of The Dead Seed
10. Shifting Forms ★
11. Dying Echoes
(2020/Pulverised)
Time/36:44