むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Ossuarium / Living Tomb

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Ossuarium / Living Tomb


USのデスメタルバンドによる初フルレングス。


酷く陰惨で暴力的な音楽性は、まさしくIncantationを彷彿とさせます。
ドゥームデスに近い、ミドル~ロウのBPMを主軸に据えており、速度に頼らない暗黒渦巻くデスメタルを展開して聴き手をとにかく圧殺にかかるスタイル。
その上で、暗いながらも非常に美しいギターを聴かせてくるM-3“Vomiting Black Death”のように、濁流に差し込まれる妖しげな叙情性が個性です。
躍動と抑制を繰り返すドラムに邪悪なリフが乗るM-2“Blaze Of Bodies”、スラミング染みたブレイクが沼地のような妖しい瘴気渦巻くメロディーに沈み込んでいくM-4“Corrosive Hallucinations”、決しては速くはないが肉感的なビートに奇妙にねじ曲がった陰惨で荘厳さすら感じさせるメロディーが乱反射するM-5“Writhing In Emptiness”に差し掛かる頃には陰鬱で美しい世界に捩じ伏せられているはず。
キュルキュルと歪みまくったギターと共にバタバタと疾走するM-6“”や荒ぶるリズムと沈み込むドゥームデスパートが入り乱れさせ麻痺してくる感覚に酔うM-7“”、ゆっくりと絶望と奈落の幕を下ろしていくM-8“”の引き際に至るまで、一定のテンションを保ち続けるのは見事。
聴けば聴くほど脳髄を侵食される重たさが心地好く感じますね。
地下臭が充満したなかなかの力作ではないでしょうか。


1. Intro
2. Blaze Of Bodies
3. Vomiting Black Death ★
4. Corrosive Hallucination
5. Writhing In Emptiness
6. End Of Life Dreams And Visions,Pt.1
7. Malicious Equivalence
8. End Of Life Dreams And Visions,Pt.2
(2019/20 Buck Spin)
Time/40:25