Inculter / Fatal Visions
ノルウェーのブラッケンドスラッシュメタルバンドによる2作目フルレングス。
彼らの音を端的に表すならば、DestructionやKreator、Cruel Forceといった名前が挙がると思います。
つまり、邪悪な空気を撒き散らしながら大爆走するタイプの音楽性です。
強烈に乾いたスネアや鳴らされるハイハットの執拗さが血腥さを演出しており、それは高速で刻まれるリフが鮮やかなM-1“Open The Tomb”から一貫しています。
高らかに掻き鳴らされるゲイン高めの超高速リフに酔いしれる邪悪なスラッシュM-2“Impending Doom”、艶かしいギターフレーズがズタズタに引き裂かれる暴走気味に突っ走るM-3“Shepherd Of Evil”、奈落に突き落とすようなドゥームな暗黒空間を撒き散しながらどんどん加速していくM-4“Endtime Winds”、ゴリゴリしたベースに牽引されて回転しながら突っ込んでくるような錯覚を覚えるM-5“Final Darkness”の流れにスラッシャー各位は悶絶するのでは。
さらにドラムロールが暴走して縺れながら走り出す邪悪なリフも渋いM-6“Towards The Unknown”、潔さすら感じる高速リフを刻みまくる爆走が気持ち良すぎるM-7“Fatal Visions”を挟み、もったいつけたようなフレーズをゆったり聴かせつつも結局は爆走に繋げるM-8“Through Relic Gates”と、とにかく走りまくる作品です。
吐き捨て、時にグロウルを聴かせるVoも個性的ではないですが作品に合っていますね。
もったいぶった展開は必要最低限に留めており、ただひたすらに速さを突き詰めていくスタイルでありながらも、仄かに叙情的な色合いを混ぜている様が渋くも滅茶苦茶格好いいスラッシュメタルが聴けますよ。
1. Open The Tomb
2. Impending Doom
3. Shepherd Of Evil ★
4. Endtime Winds
5. Final Darkness
6. Towards The Unknown
7. Fatal Visions
8. Through Relic Gates
(2019/Edged Circle Productions)
Time/34:25