Imprecation / Damnatio Ad Bestias
USのデスメタルバンドによる2作目フルレングス。
ズルズルとRawで暴力的な演奏で引きずり倒すかのような音楽性は、Incantation直系。
結成自体は1992年と結構古く、Incantationのデビューとほぼ同時期です。
ですがアルバムデビュー自体は2013年と最近で、結成時とは大半のメンバーを異にしています。
幕開けを飾るM-1“Temple Of The Foul Spirit”を聴けばわかる通り、 黒々と暗黒渦巻くドゥーミーなデスメタルを全編に渡り聴かせてくれます。
時にうっすらと寒々しいキーボードを被せたりと雰囲気の構築がとにかく巧いですね。
ドスドスと蹴散らすようなスラッシーなビートに鈍く刻むリフを絡ませるM-2“Morbid Crucifixion”、ズタズタと引きずり倒すリズムに邪悪で鈍いリフが暗黒世界を作るM-3“Baptized In Satan's Blood”、無明の闇がぽっかりと穴を開けている空間に放り投げられるドゥームデスM-4“Beasts Of The Infernal Void”の静動の切り替えに熟達した技が聴けます。
Morbid Angelのような魔界の空気を吸い上げて吐き出したスラッシーなビートもかっこいいM-6“Dagger,Thurible Alter Of Death”、走り出そうとしてもたつく切迫感あるリズムが急激に暴虐的なリフと速度をまとうデスメタルM-8“Ageless Ones Of None”に至るまで濃密にぎっしり詰め込まれた音塊が襲いかかってくる作品です。
低く噛みつかれるような、時に獣が唸るようなグロウルも素晴らしいですね。
ドゥーミーなデスメタルの奥深さが堪能できる一枚であり、サタニズムや神秘の真髄を歌い上げるある種ブラックメタル的味わい深さもありますよ。
1. Temple Of The Foul Spirit
2. Morbid Crucifixion
3. Baptized In Satan's Blood ★
4. Beasts Of The Infernal Void
5. Damnatio Ad Bestias
6. Dagger,Thurible Alter Of Death
7. The Shepherd And The Flock
8. Ageless Ones Of None
（2019/Dark Descent）
Time/37:12
