むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Insidious Disease / After Death

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Insidious Disease / After Death


ノルウェー/UK/ドイツ/プエルトリコデスメタルバンドによる2作目フルレングス。



初めて聴きましたが、メンバーが凄いです。
Napalm DeathのShane Embury、ex-MorgothのMarc Grewe、Susperia/ex-Dimmu BorgirのCyrus、MegadethやMalvorent Creationなどに参加していたTony Loureanoで構成されています。
主導はShane Emburyだとは思いますが、Napalm DeathともTronosとも違う、徹頭徹尾デスメタル
鍛え上げられた鈍器で叩くような残忍かつ時折叙情的なギターを走らせる、極めてオーソドックスなデスメタルを演奏しており、その丁寧な仕事振りはM-1“Soul Excavation”から徹底しています。
キレの良いリフから鈍重なグルーヴで掻き回すM-2“Betrayer”、何かを呼び起こすようなフレージングから一気に加速していくスラッシーなデスメタルM-3“Divine Fire”、絶叫から落差のある重たく粘るリフを切り裂く快楽的な疾走で飛び出してくるM-4“Unguided Immortality”と、派手さは一切ないですが職人気質な楽曲が並びます。
重たく叩き潰すような音像のリフが緩急行き交う中で威圧感のある咆哮が轟くM-5“Invisible War”、儀式的かつドゥーミーな前半とスイッチする爆走の対比が効いているM-6“Born Into Bondage”、ざらついたリフで邪悪なメロディーをなぞりながらもつれ前のめりに突進するM-8“An End Date With The World”、おぞましくも威厳のあるリフが呼び水になって残虐なデスメタルが降臨して幕を降ろすM-10“Secret Sorcery”と、じっくりと練り上げているのがわかる作品に仕上がっています。
メンバーがメンバーだけに、そつがないというかきっちりと仕上げてくる作品となっており、ずっと聴いていても聴き疲れしない一枚。
個人的には、Marc Grewe氏の高めのグロウルが相変わらずのかっこよさで良かったです。
Morgoth“Cursed”で聴けるあの厳つさは健在ですので、実のところ一番薦めやすいのはMorgothのファンだと思います。
音楽性自体もメンバーのバンドでは一番近い印象を受けましたしね。
それにしてもShane Emburyの精力的な活動には舌を巻きますね。



1. Soul Excavation
2. Betrayer
3. Divine Fire
4. Unguided Immortality
5. Invisible War
6. Born Into Bondage
7. Enforcers Of The Plague
8. An End Date With The World
9. Nefarious Atonement
10. Secret Sorcery ★
(2020/Nuclear Blast)
Time/43:03