むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Inferi / Revenant

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Inferi / Revenant


USのメロディックデスメタル/テクニカルデスメタルバンドによる4作目フルレングス。


相変わらず質の高い作品です。
カニカルかつ立体的に組み上げられたテクニカルデスに、流麗に弾き倒されるギターで華やかな味付けを施すスタイルは、より加速しています。
Voが変わったことにより、よりメロディックデスやメロディックブラック的な側面が強くなりました。
前任者よりもより高音でがなり散らす感じですが、Voが変わったことによるマイナスはありませんね。
クラシカルで派手なフレーズを弾くギターの影響で、シンフォニックデスのような趣すらあります。
そのため、Black Dahlia Murderのような猟奇的な雰囲気はより薄まり、気品溢れる独自性が高まっています。つまり、スピードはそのままですが、暴虐的はそれほどでもないので、より間口は広がりました。
それは雨が降りしきる景色の中を荒れるような演奏が轟くM-1“Within The Dead Horizon”から一貫しており、流麗なギターと壮麗かつ邪悪な銀盤が絡み合うM-2“Condemned Assailant”、教会音楽のような厳かなオルガンから始まる神聖な空気が曲を支配するテクデスM-3“A Beckoning Thrall”からふくよかなギターを立体的かつ攻撃的に織り上げ完全なるシンフォニックデスへ変貌させるM-5“Enraged And Drowning Sullen”の流れはふつくしいですし、クラシカルメタルの美旋律を含ませてリフを迷路のように入り組ませたM-8“Smolder In The Ash”はまさしく戯曲的。
アルバム全体で一つの物語を紡ぐ感覚はより強まり、最たるものが約9分の悲しげなメロディーを軸に叙情的なベースラインでうねりを生み泣き叫ぶようなギターソロも聞きどころのドラマティックなM-7“Malevolent Sanction”です。
全ての楽曲が複雑なパターンを伴い展開していくため、ストレートに暴発するような楽曲が一曲くらいあれば言うことなしでしたが、テクデスは機械的すぎて好まない方にもオススメできる作品です。
もはやテクニカルデスというよりはメロディックデスと言いきっても良さそうな音楽性に変化しましたけども。


1. Within The Dead Horizon
2. Condemned Assailant
3. A Beckoning Thrall
4. Through The Depths
5. Enraged And Drowning Sullen ★
6. Thy Menacing Gaze
7. Malevolent Sanction
8. Smolder In The Ash
9. Behold The Bearer Of Light
(2018/The Artisan Era)
Time/56:38