Jungle Rot / Jungle Rot
USのデスメタルバンドによる9作目フルレングス。
ハードコアを織り混ぜた爽快感抜群のデスメタルは不変。
彼らのスタイルはDying Fetusやデスコア勢とも違っていて、そういった猟奇的な複雑さや暴虐性があるわけではありません。
前述のバンドよりも至ってシンプルで、個人的には初期のDeathやObituaryらUSフロリダ産デス勢の流れを汲むバンドだという認識ではいます。
つまり、80年代から続くスラッシュメタルの切れ味をデスメタルに昇華させた上で巧いことハードコアと交配させたような印象ですね。
今作はセルフタイトルということもあり自信の程が伺えますが、出来自体もなかなかいいです。
基本的には前作の延長線ではありますが、爆走パートが前作よりも増え、モダンでグルーヴィーな質感がグッと増していることがM-1“Send Forth Oblivion”からもわかります。
テンポを落とした重厚で冷たいメロディーを聴かせてくれるM-4“Triggered”で、今までとはまたちょっと違った世界を見せてくれますね。
Obituaryへの憧憬を隠そうともしない厳つく仁王立ちするようなM-6“Stay Dead”は勿論のこと、威圧するドラムから丁寧にトレモロリフを重ねて疾走するM-2“Delusional Denial”、哀愁あるリフにブラストを合わせてどんどん加速するM-3“A Burning Cinder”、バキバキしたベースと雄壮のメロディーが噛み合うKreatorのカバーM-10“Terrible Certainty”とハードコアの衝動を発散させた爆走曲もしっかり格好いいです。
シンプルにかっこいい作品なのですが、愚直すぎるが故に相変わらず地味ではあります。
地味であるが故に、日本での知名度はあんまりありません。
ですが、デスメタルが好きな人ならまず外さない類の作品ですね。アートワークもかっこいいですしね。
1. Send Forth Oblivion
2. Delusional Denial
3. A Burning Cinder
4. Triggered
5. Fearmonger
6. Stay Dead ★
7. Glory For The Fallen
8. Pumped Full Of Lead
9. Twisted Mind
10. Terrible Certainty
(2018/Victory)
Time/38:47