むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Meadows End / The Grand Antiquation

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Meadows End / The Grand Antiquation


スウェーデンのシンフォニックデス/メロディックデスメタルバンドによる4作目フルレングス。


非常にコンパクトな作品になりました。
前作よりもだいぶ曲展開がわかりやすくシンプルになり、前作を聴いていて感じたMoonsorrowやEnslavedのような大仰さは控えめ。
それに反してメロディーの哀感が増強されており、個人的にDark Lunacyに近いシンフォニックデスに変化したな、という印象です。
オープナーであるオーケストラと物悲しいメロディーを一気に爆発させるM-1“Devilution”がそれを象徴しており、フィルムスコア的な派手さが全面に出ています。
ストリングス交じりの爆走感と合間に入るニンフが戯れるようなスキャットが得も知れぬ妖艶さを生み出すM-4“Night's Bane”、邪悪で麗しいメロディーラインを歌い上げる女性Voとブラックメタル寄りの暴虐性が入り交じるM-7“The Insignificance Of Man”辺りは映画音楽の要素が強め。
勇壮さと哀感を交錯させる悠然と鳴り響くM-3“Svept I Sorgep”はヴァイキングメタルのようであり、メロデス王道の単音リフとひねくれた曲展開で一筋縄でいかないM-5“Non-Dreaming Eye”、幕を下ろすに相応しい壮麗なメロディーと荒ぶるドラムの対比が余韻を残すM-8“I Stilla Vemod Vandra”と、シンフォニックデスとしての完成度が上がっています。
オリジナリティといった面ではまだ及ばないし突き抜け切れてないもどかしさもありますが、まずまずの出来だと思います。
Voの噛みつくようなグロウルの声質は非常に好みでした。


1. Devilution
2. Storm Of Perdition
3. Svept I Sorgep
4. Night's Bane ★
5. Non-Dreaming Eye
6. Her Last Sigh Goodbye
7. The Insignificance Of Man
8. I Stilla Vemod Vandra
(2019/Black Lion)
Time/38:39