むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Black Tusk / T.C.B.T.

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Black Tusk / T.C.B.T.


USのスラッジメタルバンドによる5作目フルレングス。


元KylesaのCorey Barhorst(Ba,Vo)が加入しての2作目。
さらにこれまでトリオ編成だったのが今作からカルテットに変化しました。
豪胆に爆走しながらもコンパクトにまとめるHigh On Fire的な音楽性は微塵も変化ありません。
それどころか、前作よりもキャッチーになっています。
呪術的な語りであるイントロM-1“A Perfect View Of Absolutely Nothing”の雰囲気こそオカルティックですが、オープナーであるM-2“Closed Eyes”はそんな雰囲気などなかったかのような爆走ハードコアっぷりを見せてくれるわけで、あまり気構えはいらないです。
M-3“Agali”のギターの鳴りはツインギターだからこその奇妙なフレーズでサイケ感増し増しだったり、オルガンだかメロトロンだかの音色に似たギターの浮遊感とゴリゴリとドライヴするベースがうねるM-5“Scalped”、切迫感あるギターが派手にキメてくるトリッピーなストーナーメタルM-6“Ghosts Roam”辺りの心地好さは、彼らの個性ですね。
ざらついたギターが砂塵を巻き上げるようなM-7“Ill At Ease”、とぐろを巻くようなベースなのに躁的に爆走するM-9“Never Ending Daymare”のポピュラリティ溢れる掴みやすさは癖になります。
スラッジとは言えシンプルでいてソリッド、なおかつ爆走する曲がギュッと凝縮された作品なので、取り込む層のレンジは広いと思います。
ちょっとCave InやMutoid Manに近づいた気もします。
なので、ハードコア好きの方にもオススメはしやすいですね。
“T.C.B.T.”とは、“Taking Care of Black Tusk”の略だそう。
私は“黒い牙で殺す”と解釈しました。メタルですしね。


1. A Perfect View Of Absolutely Nothing
2. Closed Eyes
3. Agali
4. Lab Rat
5. Scalped
6. Ghosts Roam ★
7. Ill At Ease
8. Rest With The Dead
9. Never Ending Daymare
10. Orange Red Dead
11. Whispers
12. Burn The Stars
(2018/Season of Mist)
Time/42:23