むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Skinless / Savagery

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Skinless / Savagery


USのブルータルデスメタルバンドによる6作目フルレングス。


ロディックブルータルデスとでも言えそうな作風に変化しています。
こう書くとブルデスにメロディー等要らぬ!派の方々がざわつくと思いますが、非常に邪悪で猟奇的なもので、個人的にはかなり気に入りました。
バタついたドラムによるスラミングや、フロリダ産デスメタルのようなノリを増強しているので、Cannibal Corpseや初期Death、Obituaryのような空気感が好きであれば外さないはず。
そのテンションがM-1“Savagery”から持続しているので、初期のSkinlessが好きな人にはきついかも知れません。
厳ついリフと時に美しいソロがおぞましさを演出するM-2“Siege Engine”に幾つも仕込まれた展開や、少し渇いた殺伐さを爆走パートと共に押し出すアホでグロいMVがちょっと話題になったM-3“Skull Session”、重厚なドラムが腹に溜まる邪悪なリフメロディーがギラつくM-5“Exacting Revenge”までの流れはオールドスクール×ブルデスを綺麗に融合した美しさすら感じる流れです。
さらにドゥームデスまで接近した奈落に沈み込むリフ地獄を堪能できるM-6“Medieval”、寂しげなギターが邪悪に妖しいメロディーを揺らめかせてから鬼の刻みで爆走するM-8“Cruel Blade Of The Guillotine”の後半の多彩さもベテランの凄味に満ちています。
前作はまだ復活したてで個人的にはバンドとしてハマりきらなさが気になったのですが、今作は全体の雰囲気が統一されていて、よりこなれてきて、SICKなデスメタルで素晴らしいですね。
サブジャンルとしてのブルータルデスというよりは、ただただ単純にブルータルなデスメタルというような空気が強い力作だと思います。
猟奇的な作品が好きな人は是非どうぞ。Voもそんなにガテラル強めではない、HCスタイルも織り交ぜたかっこいいグロウル中心なので聴きやすいと思います。


1. Savagery
2. Siege Engine
3. Skull Session
4. Reversal Of Fortune
5. Exacting Revenge
6. Medieval
7. Line Of Dissent
8. Cruel Blade Of The Guillotine ★
9. The Hordes
10. High Rate Extinction(Clowber Cover)
(2018/Relapse)
Time/39:34