Genocide Pact / Order Of Torment
USのデスメタルバンドによる2作目フルレングス。
初めて聴きましたが、残忍かつ凶悪なデスメタル作品です。
Red Deathというスラッシュメタル/クロスオーバーバンドのConner Donegan(Dr)擁するバンドです。
そのためか、苛烈なストップ&ゴーを繰り返すドラムには、ハードコア的な要素が散見されます。
スラミングではなく、ビートダウンハードコアの凶悪さが全編貫かれているんですね。
かといってデスコアとも明らかに違う。
これは猟奇的で生々しい録音の影響もあるのでしょうが、もっと本質的に彼らの精神がデスメタルに属しているからだと思います。
厳つく低音で唸るようなVoはIncantationやSuffocationを思い浮かべますね。
重苦しく溜めたグルーヴを切り裂く陰鬱なギターメロディーの邪悪で不気味な美しさはいかにもデスメタルといった体で、オープナーであるM-1“Conquered And Disposed”から貫かれています。
この曲で聴ける一気に爆縮するパートはハードコアのガッツに溢れていて今作を象徴づけています。
とことん奈落に突き落としてからの爆走を絡めるM-2“Decimation Grid”や、削岩機で岩を削るようなシンバルが猟奇的な空気を色濃くするドゥームデスに接近したM-4“Pain Reprisal”、キャッチーで気持ちいいリフの刻みが聴ける今作でも比較的ストレートなM-5“Ascendancy Absolved”、更に激しく走り抜ける今作最もBPMが速いであろうM-6“Structural Dissolution”といった曲でも金太郎飴にならないよう苦心しているのがわかります。
あくまで基本はオールドスクール寄りの生々しいデスメタルであるということを保ったまま、作品の風呂敷を広げていくことに成功している挑戦的な一枚ですね。
Obituary辺りが好きな人には響くものが多いと思いますよ。
1. Conquered And Disposed
2. Decimation Grid
3. Spawn Of Suffering
4. Pain Reprisal
5. Ascendancy Absolved
6. Structural Dissolution ★
7. Authoritarian Impulse
8. Blood Rejection
(2018/Relapse)
Time/39:45