The Black Dahlia Murder / Nightbringers
USのメタルコア/メロディックデスメタルバンドによる8作目フルレングス。
メロブラ風メタルコアと言われた彼らが極めてブルータルなメロデスバンドとして認知されるようになってから幾星霜。
作を重ねるごとにより暴虐的なメロデスへと変貌し、前作“Abysmal”で極点を迎えました。
前作と前々作は同じラインナップでしたが、今作からギターが変わりました。
そのせいかはわかりませんが、明らかな泣きのメロディーが若干これまでとタイプが異なります。
前任のRyan Knightとスタイルは似ていますが、弾いているフレーズの引き出しが違うので、前作や前々作で聴けたようなわかりやすく邪悪で慟哭するようなメロディーは控え目、あまりねちっこくありません。
そのため、近作ではとっつきやすい作品になっていると思います。
とっつきやすいと言っても泣く子をさらにぶん殴るような暴虐性はM-1“Widowmaker”からしっかり健在。
見た目冴えない眼鏡野郎Trevor Strnadのエグすぎる高低グロウルはしっかりあるどころか更に凶悪さを増しています。
凄まじい速度で駆け抜けていくM-3“Matriarch”、殺伐としたゴアなデスメタルにハードコアの衝動を混ぜた初期っぽいM-5“Jars”のような極悪非道な曲では彼の声の狂気が必須。
北欧メロデスの遺伝子が感じ取れる泣きのギターが炸裂するM-8“As Good As Dead”のブルータルな哀愁はさすがのもの。
アルバム通して33分と駆け抜けていくので、全く聴き疲れしない作品ですね。
ただ個人的には、前作の猟奇的な音作りとべったり張り付くようなギターメロディーの方が好みだったかな。
とは言え、USメロデスの帝王的な貫禄はさすがの安定感ですね。
1. Widowmaker
2. Of God And Serpent,Of Spectre And Snake
3. Matriarch
4. Nightbringers
5. Jars
6. Kings Of The Nightworld
7. Catacomb Hecatomb
8. As Good As Dead ★
9. The Lonely Deceased
(2017/Metal Blade)
Time/33:16