むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Acephalix / Decreation

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Acephalix / Decreation


USのメタルクラスト/デスメタルバンドによる3作目フルレングス。



初期はAmebixやDischarge等クラストからの影響をモロに出していましたが、作を重ねる毎にデスメタルの比重をあげていきました。
その路線は今作でも変わらず、むしろほぼデスメタル化。
とは言っても、クラスト特有の耳障りな金属を引っかくような質感は損なわれておらず、彼らの大きな個性になっています。
要は、数あるメタリッククラストのバンドの中でも、最もと言っていいほどのヘヴィネスを手にしたことになります。
今作、粘りの強いヘドロのようなリフの暗黒面が強調されており、つまるところIncantation化が進んでいるわけですね。
かと言ってIncantationとは決定的に前のめりなビートの乗り方やメロディーの質感が違っていて、デスメタルへ傾倒しつつもちゃんとハードコア臭さは消していないのが素晴らしいです。
遅い曲であっても、ドゥーミーに沈み込むというよりは工場の機械で淡々とすり潰すような無機質さがあるのもかっこいいですね。
ゴリゴリと「bulldozer!」とシャウトしているようにしか聞こえない大地をなぎ払うような重戦車デスメタルM-1“Upon This Altar”からして五臓六腑に染み渡るわけで、作中ずっとこんな感じ。
不穏で薄気味悪いメロディーで地獄を演出するようなM-3“Mnemonic Death”や耳を削り取るようなリフを突きつけながら殺人鬼が耳元で笑うような残虐極まりないM-6“Egoic Skin”など異様な空気を持つ曲がズラリ。
7曲で40分満たないコンパクトな作品ではありますが、聴きやすいとは言えないのがクール。
しかしVoは作を重ねる度にどんどん血反吐吐くような感じに仕上がってきて渋いけど、その内本当に血反吐吐いたりしないか心配になりますね。


1. Upon This Alter
2. Suffer(Life In Fragments)
3. Mnemonic Death
4. God Is Laughing
5. Excremental Offerings
6. Egoic Skin ★
7. Decreation
(2017,20 Buck Spin)
Time/39:09
※三面デジパック、ブックレットなし。