Queens Of The Stone Age / Villains
USのストーナーロックバンドによる7作目フルレングス。
前作で健在っぷりを示したところでこの作品ですよ。
QOTSAの中で最も突き抜けたポップ感を出しています。
それもそのはずで、共同プロデューサーにMark Ronsonを起用しているのも大きな要因になっているのは明白。
とは言え、持ち前の煙たく危うい雰囲気は健在。
ただこれまでとは違い、ポップな楽曲の隙間から立ち上るような醸し出し方をしています。
聴いていると、不思議とツイストを踊りたくなる衝動に駆られるんですよね。
70年代や60年代を通り越して、50年代の黎明期のロックンロールのフィーリングがアルバムを支配している気がしてくるんです。
それを極めて現代的なプロダクションで蘇らせることに成功しています。
その為、今作を評する鍵には確実にファンクが存在するだろうし、無論ブルースもある。
ストーナー特有のルーズなグルーヴはぐつぐつと煮えたぎっています。
この辺り、Mark Ronsonのバンドの本質を捉えるセンスの鋭さとQOTSAの貪欲さからくる探求心が合致したのでしょう。
M-5“Head Like A Haunted House”の気っ風の良さと対比されるようなM-9“Villains Of Circumstance”の妖しく揺らめくようか奇っ怪なメロディーなどは前作が気に入った方は感涙物では。
時折、Josh HommeのVoがまるでBrian Setzerのような雰囲気を纏ったりしていて、ロカビリーも似合いそうだなと思ったり。
砂塵の吹く渇いた荒野で聴いたら楽しそうな作品です。
1. Feet Don't Fail Me
2. The Way You Used To Do
3. Domesticated Animals
4. Fortress
5. Head Like A Haunted House ★
6. Un-Reborn Again
7. Hideaway
8. The Evil Has Landed
9. Villains Of Circumstance
(2017,Matador)
Time/48:00
※輸入盤スリーブ入りプラケース、1枚物クレジット付。