むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Surgeon / Luminosity Device

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Surgeon / Luminosity Device


UKのテクノアクトによる8作目フルレングス。


今作のコンセプトは“チベット死者の書”とのこと。
SurgeonことAnthony Childについて何枚か聴いてはいたもののそこまで詳しくない私にとっては、想像以上にアップリフティングなテクノアルバムであることに驚きました。
Surgeonのイメージは、インダストリアルやダブから吸い上げ、ドローン等を駆使したとにかく暗黒的なテクノをやるという人だったので。
そういったコズミックな音処理もあるにはありますが、大半の曲はM-4“earth-sinking-into-water”のように輪郭のハッキリしたアタック感強めのビートと図太いベースラインに支配されたハードテクノであり、アグレッションに否応なく踊らされます。
生物のようにうねりながら徐々に展開するM-2“The Primary Clear Light”や粒子がばらけながら形を成していくビートで踊るM-3“Courage To Face Up To”、ヘヴィですらある静寂に躍動感を滲ませるノイズが波形を描くM-6“The Vibratory Waves Of External Unity”で描かれる肉感的な音世界は、正しくフロア向けであると同時にリスニングにも適したものです。
後半になればなるほど躍動感を増し、キャッチーなシンセがメロディアスに乱舞するM-8“The Etheric Body”は今作の極点でしょう。
どの曲にも、彼らしい冷ややかさはしっかり刻まれているので、彼のファンならまず外さない仕上がり。
加えてわかりやすく、展開がはっきりしていて肉体的なのでテクノに馴染みのない人にも薦めやすいアルバムです。
とは言え、今作が“チベット死者の書”から閃いたコンセプチュアルなものというのは、聴く上ではあまりよくわからなかったですが。
聴いていると瞑想的というか、脳内でビートがループしている感覚にも陥るので、そういうことなのかな、とも思いました。


1. Seven Peaceful Deities
2. Primary Clear Light
3. Courage To Face Up To
4. earth-sinking-into-water ★
5. Master Of All Visible Shapes
6. The Vibratory Waves Of External Unity
7. Eight Wrathful Deities
8. The Etheric Body
9. The Source
(2018/Dynamic Tension)
Time/48:22