むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

「傑作!」を連発するレビューブログを目指しています。コメントは記事ページから書込・閲覧頂けます。

No Age / Goons Be Gone

f:id:bluecelosia:20200922224122j:plain
No Age / Goons Be Gone


USのノイズロック/アートパンクバンドによる5作目フルレングス。


独特の甘さのあるメロディーをローファイながらも爆裂な音量のギターで掻き鳴らす一派を近年流行させたバンドの一つである彼ら。
グランジっぽくもガレージっぽくもあり、Nirvanaを彷彿とさせながらももしもNirvanaが今でもいたら、というIfを何気に体現しているバンドでもありますね。
No Ageのノイジーで感傷的なロックは普遍的な輝きに満ちていることは、昔のSonic Youthを再現したようなパンクサウンドをぐしゃぐしゃに鳴らしたM-1“Sandalwood”を聴けば確信できるはず。
不定形のノイズを掻き分けるようにポップに弾けるM-2“Feeler”、物憂げな雰囲気をベッドルームから届ける微睡んでいるようなM-3“Smoothie”、躁気味に前のめるドラムで痙攣するように走るM-5“War Dance”に着地する頃には彼らの揺るがなさと過去一弾けてるような感触に嬉しくなりますね。
アンプが壊れたような雑音のループがふくよかに広がるサイケデリックなノイズアートM-6“Toes In The Water”、躍動するリズムに乗る歪んだギターメロディーが爽やかに映えるM-7“Turned To String”、ノイズが野放図に広がるようなジャムM-8“A Sign Click”、定置が定まらないような三半規管が狂うようなドリームポップM-9“Puzzled”、思いっきりギターを掻き鳴らすサーフロックのように爽やかなM-10“Head Sport Full Face”、ほんのり影のある甘さで軽やかに駆けて作品を〆るM-11“Agitating Moss”と、彼らの作品でも上位にくるほど聴きやすい作品に仕上がっています。
ポップな歯触りが全面に出たアルバムなれど、No Ageらしい衝動的でパンキッシュな感触はしっかりあります。
それ故かはわからないですが、彼らのカタログの中でもいい意味で一番肩の力が抜けている印象のオススメしやすい一枚ですね。



1. Sandalwood
2. Feeler
3. Smoothie ★
4. Working Stiff Take A Break
5. War Dance
6. Toes In The Water
7. Turned To String
8. A Sign Click
9. Puzzled
10. Head Sport Full Face
11. Agitating Moss
(2020/Drag City,P-Vine
Time/32:56