むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Lightworker / Fury By Failure

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Lightworker / Fury By Failure



USのメタルコアバンドによる初フルレングス。


鮮やかなギターリフによる厚みに聖性を漂わせるキーボードによる空間演出を聴かせるバンドです。
骨格となるメロディーも爽やかで、かつどこか神聖さを漂わせているので厳かな気持ちを引き出すタイプの音楽性。
TriviumやDevil You Know、Demon Hunter辺りのバンドを彷彿とさせる、男臭いクリーンな歌とグロウル/スクリームの配合バランスがとても良く、歌メロの良さがグッと引き立っています。
開幕ギターによるメロディックなフレーズ使いと豪快なブレイクダウンでぶち上げるM-1“Empyre”、重たくも煌めくリフによるリードから爽快すぎるキャッチーなコーラスが耳を引くM-2“The Willing Marty”、凛と張り詰めたギターメロディーが大きく広がっていくリズミカルなドラムが引っ掛かりを持たせるM-3“10/18”、翳りを帯びた空気にアメリカーナな雰囲気の歌メロから重厚なブレイクダウンを挟むM-4“See The World Like You”と、丁寧に練り上げた序盤の流れでもバンドのカラーが浮き彫りになっっています。
執拗なリズムチェンジによるブレイクダウンから一気に開放的なコーラスに雪崩れるM-5“Words Dissolve”、デジタル処理を施した無機質なグルーヴに雄々しいクリーンとスクリームの掛け合いが楽しいM-6“Losing Ground”、一転折れそうな繊細さをまとわせて重たいリフでグルーヴィーに疾走して可愛らしい女性Voが華やかに彩るM-7“Cholera”という馴染みやすい中盤の山もしっかりしています。
頭に残るリフがしっかりしたメロディーを練り上げてバキッとした筋肉質な演奏で首が振れるM-8“Remove The Earth”、かなり重心を落としつつ怒涛に疾走するバッキングと歌い上げる熱い歌メロが心憎いM-9“Beyond The Pale”、しっとり爽やかに歌うクリーンと壮大に華々しく天へと昇っていくギターが美しくも強靭なパワーバラードに近い聴き心地のM-10“Dissonance”と、最後の一音まで拘っている様が嬉しい一枚です。
個性という意味では特筆すべき真新しさは然程ないですが、緻密な曲展開と美麗で聖なる雰囲気が最後まで貫いたままの統一感はなかなかのもの。
歌も巧いですし聴かせどころもはっきりしているので、是非とも長く続いて欲しいものですね。



1. Empyre
2. The Willing Martyr
3. 10/18
4. See The World Like You
5. Words Dissolve
6. Losing Ground
7. Cholera
8. Remove The Earth
9. Beyond The Pale ★
10. Dissonance
(2020/Solid State)
Time/43:09