むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Silversun Pickups / Widow's Weeds

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Silversun Pickups / Widow's Weeds


USのオルタナティヴロックバンドによる5作目フルレングス。


掛け値なしの最高傑作です。
デビュー当時、解散状態にあったSmashing Pumpkinsの再来と言われて日本でも人気のあったバンドですが、本国アメリカでは未だに人気を誇っています。
グランジを通過したメランコリックでエモーショナルなロックという音楽性自体は不変。
それでいて時にシンフォニックロックの華やかさを放出しています。
Brian Aubertの憂いを帯びた歌声も渋味を増しており、演奏と共に痛切さが滲み出す先行カットされたM-2“It Doesn't Matter Why”の圧倒的なメランコリーに心を鷲掴みにされるでしょう。
分厚い雲を抜けるように陰鬱さを突き抜けるM-1Neon Wound”、エッジの効いたリズムに乗って轟音が迫ってくるM-3“Freakazoid”、穏やかなギターが唸りを上げてヘヴィネスと浮遊感を同居させるM-4“Don't Know Yet”を経てゆったりと華やかなストリングスとアルペジオによる美メロが轟音に飲み込まれていくM-5“Straw Man”の流れが非常に美しいです。
後半になると少しヘヴィネスを増しており、時にサイケデリアを際立たせた構成になるのもまた良し。
重厚なギターに分厚いシンセがまとわりついて穏やかなサイケデリアを生み出すM-7“Widow's Weeds”、アタック感を強めたドラムにノイズギターが炸裂するM-8“Songbirds”、中東辺りの雑踏に放り込まれたようなメロディーが物憂げに歌うVoに溶けるM-9“Simpatico”と溜めてからの最後のダメ押しと言わんばかりのアグレッシヴなリズムが強烈なヘヴィロックとドリームポップが溶け込むM-10“We Are Chameleons”の手抜かりなさ。
寂しげなメロディーがポップに踊るM-6“Bag Of Bones”に若干スマパンっぽさがあるのも彼らのファンには嬉しいと思います。
健在感どころか、ますます冴え渡って独自の個性を発揮しているのが非常に素晴らしい傑作ですね。
昔聴いていた人も、初めて聴く人も是非オススメしたい一枚です。


1. Neon Wound
2. It Doesn't Matter Why ★
3. Freakazoid
4. Don't Know Yet
5. Straw Man
6. Bag Of Bones
7. Widow's Weeds
8. Songbirds
9. Simpatico
10. We Are Chameleons
(2019/New Machine)
Time/47:49