むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Razgate / After The Storm...The Fire!

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Razgate / After The Storm...The Fire!



イタリアのスラッシュメタルバンドによる3作目フルレングス。



ザクザクしたリフの気持ち良い刻みとスタスタと小気味の良いリズムでかっ飛ばし、トム・アラヤ似のVoが吐き捨てる…。
想像通り、Slayerへの溢れんばかりの愛が聴ける作品となっていて、微笑ましくなるほど。
最たるものは最後のM-10“Crucify(The Master Deceiver)”で、聴けば「あ、“Angel Of Death”だ!」ってなりますし、確信犯的にSlayerメドレーのような曲ですからね。
図太いベースラインと気持ちの良い刻みから一気に駆け抜けるM-2“Rising Death”、ツボを押すテンポから快感になるコーラスが癖になる微妙に陽気なM-3“Broken By Fire”、無愛想に駆けるリフからザクザクしたスラッシーなパートに繋ぎスリージーなR'N'Rっぽさも漂わせるM-4“After The Storm”、隙間のあるビートに分厚いリフでどしんと聴かせつつギターソロを皮切りに異様なスピードで駆け抜けるM-5“Grinding Metal”と、速さの中にもSlayerに限らず様々な先達へのリスペクトを忘れず自分たちの個性も出そうとしています。
高らかに咆哮するクランチの気持ち良さにスラッシャーのにやつきが止まらなさそうなM-6“Shredding Praise”、しっとり邪悪なメロディーでゆったり重厚に聴かせてから自然な加速で首を振るM-7“Behind The Wall Of Terror”、本作中最も最速に近い体感速度で首がもげそうなM-8“To The Rope!”、ザクザクした感触が粗く首筋を斬りつけながら鮮血飛び散るスラッシュに展開するM-9“Bloodshed & Deliverance”からのM-10のSlayer崇拝100%で〆る作品なので、独自性よりも聴いていて心地好い疾走に全振りしている気がします。
とは言え、単なる物真似ではなく、きっちり彼等の音で表現しているのが素晴らしいです。
やっぱりこの辺り、声質が似ているだけでなくて堂々とした自信を持っているからでしょうか。
このバンドに「Slayerのパクリだろ!」って言っても「そうだよ!でも俺たちの音だ!」って言ってくれそうな頼もしさがあるんですよね。
純度100%のスラッシュメタルらしいスラッシュメタル作品。



1. Lacrimosa Dies
2. Rising Death
3. Broken By Fire
4. After The Storm
5. Grinding Metal ★
6. Shredding Praise
7. Behind The Wall Of Terror
8. To The Rope!
9. Bloodshed & Deliverance
10. Crucify(The Master Deceiver)
(2020/Punishment 18)
Time/38:31