Fluisteraars / Bloem
オランダのブラックメタルバンドによる3作目フルレングス。
サッドコアやエレクトロニカみたいにお洒落なアートワークに紛れてますが、ブラックメタルです。
ブラックメタルです。大事なことなのでね。
元々邪悪な密室的なブラックメタルを演奏していた彼らですが、今作ではジャケットが示すような儚げで繊細ながらも凶暴なブラックメタルに移行しています。
ポストブラックからの影響はそこかしこにありますが、基盤に横たわるのは相も変わらずのプリミティブブラックであることは、M-1“Tere Muur”の寒々しいトレモロリフや苦悶に満ちたがなり声を聴けば瞭然。
胸をかきむしる神経を蝕むようなリフが耳を引くM-2“Nasleep”の緩急を自在に行き交う展開の巧みさ、退廃的でゆっくり沈み込む陰鬱なメロディーの上で威圧的に叫ぶM-3“Eeuwige Ram”、森の中を激しく疾走するような王道的とすら言えるRawなブラックメタルM-4“Vlek”、物悲しくも大きく広がっていくようなメロディーが美しく感じさせる幕引きの管楽器もやけに泣かせるM-5“Maanruine”とコンパクトながら起承転結が割とはっきりしている作品に仕上がっています。
時折アヴァンギャルドと言えるような一面をチラ見せする一方、シンプルなブラックメタルとしての枠が強固なので割と聴きやすい作品だと思います。
1. Tere Muur
2. Nasleep ★
3. Eeuwige Ram
4. Vlek
5. Maanruine
(2020/Eisenwald)
Time/33:39