むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Suicide Silence / Become The Hunter

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Suicide Silence / Become The Hunter


USのデスコアバンドによる6作目フルレングス。


VoがEddie Hermidaに代わってから3作目です。
大きくニューメタル路線に舵を切ったセルフタイトルを冠した前作は賛否両論(否が圧倒的多数でした)を呼び、話題の割にはセールスに結びつかず散々な結果に終わりました。
その反動もあるでしょうが、今作では以前のデスコア路線に回帰しています。
そもそも前作の敗因は路線変更ではなく、単純にメロディーで勝負できるバンドに育っていなかったことと肝心のクリーンもそこまで巧いわけではなかったことだと思っているので、ブルータルなヘヴィネスで圧殺する路線が彼等に合っているのはM-2“Two Steps”を聴けば一目瞭然。
更に奈落に突き落とすビートダウン主体の噛みつくようなスクリームが耳に刺さるM-3“Feel Alive”、小気味良いBPMとブレイクを織り交ぜて君の悪いギターメロディーを乱舞させるM-4“Love Me To Death”までで「おかえり」と言いたくなるファンは多いのでは。
前作が全くなかったことになっていないのは、うねるグルーヴで押しきる躍動するM-5“In Hiding”や病んだ空気が充満する中を血反吐を吐くVoが漂い作中最も重たいリフ地獄に落とし込むM-7“Skin Tight”が証明しています。
かなりストレートに爆走するキャッチーとすら言えるM-10“Disaster Valley”の構築力は流石のもの。
全体としてかなり攻撃的なので、前作に落胆した人にもオススメできます。
ただ個人的には、前作が奮わなかったからデスコアに戻る姿勢はちょっと…となりました。
同じように賛否呼び込みつつも着実に練り上げていっているWhitechapelを見ていると余計に。
今作のEddieはAll Shall Perish含めても過去一キレているのですが、前作の結果に対する怨嗟に聴こえてくるのが興味深いですね。


1. Meltdown
2. Two Steps
3. Feel Valley
4. Love Me To Death
5. In Hiding
6. Death's Anxiety
7. Skin Tight
8. The Scythe
9. Serene Obscene
10. Disaster Valley ★
11. Become The Hunter(Darius Tehrani)
(2020/Nuclear Blast)
Time/39:52