Carnifex / World War X
USのデスコアバンドによる7作目フルレングス。
シンフォニックな要素のあるデスコア自体は今では珍しくもないですが、裾野を広げたバンドの印象です。
今作でもその要素は健在で、何だか前よりもシンフォニックブラック的な色合いが濃くなったな、と。
それは強靭さと壮麗さを増したシンフォニーが折衷したM-1“World War X”を聴けばわかります。
執拗なブレイクも前作より多く感じて、デスコアとしての矜持を回帰させた印象を受けました。
機関銃のようなブラストとグルーヴィーなリフを緩急つけて刻むM-2“Visions Of The End”、ゆったりしたBPMで踊らせながら壮麗で邪悪なコーラスに雪崩れ込むM-3“This Infernal Darkness”、重心を低くしてゴリゴリとしたリフの隙間から美麗なギターソロが拝めるM-4“Eyes Of The Executioner”の怒涛の展開にニヤつく人は多いと思います。
Arch EnemyのAlissa White-Gluzが客演したM-5“No Light Shall Save Us”の容赦のない暴虐は本作のハイライトとも言え、Angel Vivaldiがギターで客演したM-6“All Roads Lead To Hell”の凶悪なギターの掛け合いもしっかり聴かせます。
作中最も重たいリフに華やかなリードをまとわりつかせるM-8“Hail Hellfire”や甲高いギターと荒れ狂うドラムが邪悪にざらつくM-9“By Shadows Thine Held”と非常にサラッと聴かせる作品だと思います。
薄味というわけではないですが、非常にわかりやすくキャッチーではあるので、デスコアを最初に聴く時にも疲れない入門に適した作品ですね。
個人的にはもっとゴリゴリにして欲しい物足りなさも少し感じました。
1. World War X
2. Visions Of The End
3. This Infernal Darkness
4. Eyes Of The Executioner ★
5. No Light Shall Save Us
6. All Roads Lead To Hell
7. Brushed By The Wings Oe Demons
8. Hail Hellfire
9. By Shadows Thine Held
（2019/Nuclear Blast）
Time/35:05
