むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Killswitch Engage / Atonement

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Killswitch Engage / Atonement


USのメタルコアバンドによる8作目フルレングス。


名実共にメタルコアの覇者と言われるバンドの一つであり、日本でも人気のあるバンドです。
前々作でVoをHoward Jonesから初代VoであるJesse Leachへ変更し、早くも3作目。
前々作は初期作を意識したアグレッシヴな傑作で、個人的には彼らの作品で最も好きです。
Howard在籍時のようなメロディアスなメタルコア路線の前作も悪くなく、むしろ楽曲の多彩さで言えば非常によく聴いていました。
それを受けての今作ですが、重たいグルーヴと叙情的なギターメロディーに清濁合わせたVoが存在感を主張するM-1“Unleashed”を聴けばわかるように、あくまで前作の路線だと言えます。
スラッシーに突進するリフが小気味いいJesseとHowardがマイクを分け合ったことでも話題になったM-2“The Signal Fire”や刻み続けるリフと獰猛なグロウルががっぷり噛み合うM-4“The Crownless King”を聴けば彼らのタフネスが些かも揺らいでいないのがわかるはず。
ロディアスでグルーヴィーなM-3“Us Against The World”や重心の低いグルーヴにアメリカーナを感じさせる歌心があるM-5“I Am Broken Too”、やけに泣かせるギターが迫る漢泣きを呼び起こすM-8“Take Control”といった曲でやけにピュアメタルを思い起こすなと思えば今作のミキシングはAndy Sneapのようで、シャープでソリッドかつ軽やかな音像は今のKsEによく合っていますね。
噛みつくようなグロウルの冴えと溜めを重視したリフからフラッシーに駆け抜ける慟哭メタルコアM-11“Bite The Hand That Feeds”にまで王者の貫禄が、それこそアートワークの獅子のように刻み込まれています。
今作、前作よりもJesseの声に張りがあるのは、ポリープ除去後にボイストレーニングを一から受け直したからのようで、クリーンであっても強靭になった印象を受けますね。
全体的に隙が少ない、よくまとまった快作であると思います。
聴けば聴くほど馴染んでくるタイプの作品でもありますね。


1. Unleashed
2. The Signal Fire
3. Us Against The World
4. The Crownless King
5. I Am Broken Too
6. As Sure As The Sun Will Rise
7. Know Your Enemy
8. Take Control
9. Ravenous
10. I Can't Be The Only One
11. Bite The Hand That Feeds ★
(2019/Columbia)
Time/39:01