Black Mass / Warlust
USのスラッシュメタル/スピードメタルバンドによる2作目フルレングス。
聴くのは今作が初めてですが、尋常じゃないスピードで駆け抜けていくタイプのバンドで、Slayerよりはどことなく初期のSodomやVio-lence辺りに共通項を見出だしやすいですね。
あるいは闇雲に突っ走っていた頃のKreatorか。
ザクザクしたリフで切り刻む王道のスラッシュメタルである今作はジャケットが示す通り戦争をテーマにしており、その為か緊張感と殺伐さが実質オープナーのM-2“Warlust”からケツに至るまで貫かれています。
強烈に吐き捨てたり時折スクリームを織り混ぜるスタイルのVoの影響か、ブラックスラッシュ的な赴きもあるのは個人的に嬉しいところ。
スピードメタルのノリに砂塵を巻き上げるように突貫するM-3“Programmable Life Forms”、高速で刻みながらリフを立体的に交錯させる前のめりながら駆け抜けるM-4“High Priest In Black”、スタスタと小気味よく叩かれるドラムとスリージーな雰囲気が気持ち良いM-5“Graveyard Rock”と前半はどちらか言えばスピードメタル寄りのノリが濃いです。
ブラストビートと鋭く刻むリフに吐き捨てVoが乗るブラックスラッシュM-7“Hellhounds”、メロディアスなベースが妖艶ながらも怒濤の勢いでギターとドラムが錯乱するM-9“Virgin Sacrifice”、腹に溜まるバスにやけにメロディアスなギターが合わさるキャッチーなM-10“Fueled By Drugs”で何故かストーナーかつ退廃的な空気感にて幕を下ろす構成がユニークな作品ですね。
粗いプロダクションでもしっかり整合性があって、聴いていて非常に爽快です。
爽快感の中にもしっかり黒々としたものもあるなかなか素晴らしいアルバムだと思います。
1. Intro
2. Warlust
3. Programmable Life Forms
4. High Priest In Black
5. Graveyard Rock
6. Interlude
7. Hellhounds
8. Bible Stomp
9. Virgin Sacrifice ★
10. Fueled By Drugs
（2019/Iron Shield）
Time/37:01
