むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Nine Shrines / Retribution Therapy

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Nine Shrines / Retribution Therapy


USのポストハードコア/ラウドロックバンドによる初フルレングス。


Attack Attack!等のメンバーから成るバンドで、EPよりもよりラウドロックな音になりました。
コーラスの爽やかさにポストハードコアらしさを感じますが、ニューメタル由来の重たさもしっかりあります。
オープナーとして抉じ開けるM-1“Nimrod”の重圧と爽快感の交錯はこの手のバンドでも屈指の完成度を誇ります。
高速刻みのリフから粘度の高いグルーヴに雪崩を起こすM-2“Retribution Therapy”、腰を据えたテンポからキャッチーながらも奇妙なメロディーをまとわりつかせブレイクダウンも飛び出すM-3“Chain Reaction”、軽快なドラムに反して重たいリフと粘りつくコーラスで聴かせるM-4“Ringworm”で次世代ラウドロックを聴いているんだなと思えるはず。
とは言え、楽曲の幅がそこまで広い作風ではないです。
少し甘さのあるメロディーと苦悶に満ちた歌唱を聴かせるM-5“Happy Happy”、低く這い回るグルーヴにノイジーなギターで耳を引っ掻くようなM-8“Conjure”、重たいギターとベースでひたすら重低音地獄を轟かせるキャッチーなコーラスもカッコいいM-9“Pretty Little Psycho”はKornを彷彿とさせます。
シャッフル気味に揺らせるリズムと鬱屈した咆哮が解放感を煽るM-11“Sick Luck Me”もいい具合に終盤のフックになっています。
全体的に結構歌メロも良く書けているし、曲の展開もこなれていて、初作とは思えない完成度の作品です。
最後の最後でテンション高く畳み掛けるM-12“Counterfeit”で〆る構成もなかなか心憎い。
重厚なロックアルバムを聴きたい人には結構ハマる作品ではないでしょうか。
オルタナティブメタルやグルーヴメタルにも足を掛けているので、その手の音が好きな人にもお薦めしやすいです。


1. Nimrod
2. Retribution Therapy
3. Chain Reaction
4. Ringworm
5. Happy Happy
6. Dead
7. Hymn
8. Conjure
9. Pretty Little Psycho ★
10. Ghost
11. Sick Luck Me
12. Counterfeit
(2019/Mascot)
Time/39:02