むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Misery Index / Ritual Of Power

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Misery Index / Ritual Of Power


USのデスメタル/グラインドコアバンドによる6作目フルレングス。


圧倒的な力で踏みつけるかのような作品です。
個人的に彼らの最高傑作は前々作“Heir's To Thievery”なのですが、メロディアスなデスメタルに若干寄せた前作“The Killing Gods”もそれなりに好きでした。
前作から5年の空白を挟んでの今作ですが、前々作に匹敵するほどかなり気に入りました。
元々Dying Fetusの元メンバーが結成しただけあって共通項は見出だしやすい音作りですが、今作はよりグラインドコアに接近しています。
殺伐としたドラムの音に反してやけに暗黒感のあるグルーヴとメロディーが耳を引くM-1“Universal Untruths”を引き裂くようなM-2“Decline And Fall”の突貫するような騒々しさはまさにグラインドコア
削岩機のようなドラムとハンマーのように重たいリフが心地好くドライヴするM-3“The Choir Invisible”、殺伐と渇いたチューニングのギターでやたら艶かしく血生臭いメロディーを紡ぐM-4“New Salem”、少しテンポを落として爽快な疾走感で聴かせてくれる作中最もキャッチーなM-5“Hammering The Nails”まで聴いてガッツポーズの諸氏も多いのでは。
どんどんテンポを上げていき爆走とブレイクを交錯させる美麗なソロも切り込むM-6“Ritual Of Power”、鈍器で殴りかかるようなギターと削岩機ブラストでなぶるデスメタリックなM-8“I Disavow”、トドメとばかりに今作最高速を誇るえげつないデスグラインドM-9“Naysayer”と凄まじい速さで駆け抜けていきます。
基本爆走で、少しテンポを落とした重厚な曲でも爆走パートを挟むのでかなり爽快な作品に仕上がっています。
明瞭で分離も良くなおかつ渇いたプロダクションなので、尾を引かない殺伐さで実に気持ち良い。
ストレス社会に生きる我々には打ってつけの作品ですね。


1. Universal Untruths
2. Decline And Fall
3. The Choir Invisible
4. New Salem
5. Hammering The Nails
6. Ritual Of Power
7. They Always Come Back
8. I Disavow
9. Naysayer ★
(2019/Season of Mist)
Time/35:55