むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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In Flames / I,The Mask

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In Flames / I,The Mask


スウェーデンメタルコア/オルタナティヴメタル/ロックバンドによる13作目フルレングス。



メロディックデスメタルのBIG 4なるものがあるなら確実に入るであろう彼ら。
メロディックデスメタルというジャンルの成立と確立に絶大な影響力を及ぼしているバンドですが、メロデスを離れUSオルタナティヴロック/メタルの路線に寄せた音楽性になって久しいです。
正直個人的にも近年の作品はそんなに刺さらなかったのですが、今作はそこそこ刺さってきました。
自分が最近ニューメタルをよく聴いていた影響もあるでしょうが、その路線で考えれば割と曲がいいです。
高速でリフをこねくり回すM-2“I,The Mask”に在りし日のメロデスIn Flamesを期待した人には相変わらず今作は賛否分かれると思います。
重量感のあるリズムで朗々と歌い上げるM-1“Voices”はニューメタル/ラウドロックのノリですし、じっくりと聴かせるクリーンと絞り出すスクリームと久しぶりに弾き倒されるギターソロが堪能できるM-4“I Am Above”にしろポストハードコアの路線だと思いますので。
イエテボリスタイルの寒々しく美しいメロディーこそ乏しいものの、M-5“Follow Me”やM-12“Stay With Me”にその名残は感じ取れます。
アルバム中盤以降はモダンな要素が炸裂する近年のIn Flamesなわけですが、血管切れそうなスクリームと暴虐的なリフで押すメロと明るいコーラスの対比が光るM-9“Burn”、中東音階のメロディーが意外性を与えてくるM-10“Dead Inside”辺りはちょっとした新味。
個人的には郷愁を誘うギターメロディーが耳を引く壮大な慟哭バラードM-12“Stay With Me”が非常に気に入りました。
今作は私も大好きな“Come Clarity”の残り香を感じますが、メロデスではありませんし、かといってオルタナティヴメタルの名作であるとも決して言いません。
ですが、案外飽きにくいメロディーがじっくりと楽しめる好作ですよ。


1. Voices
2. I,The Mask
3. Call My Name
4. I Am Above
5. Follow Me
6. (This Is Our)House
7. We Will Remember
8. In This Life
9. Burn
10. Deep Inside
11. All The Pain
12. Stay With Me ★
13. Not Alone
(2019/Nuclear Blast)
Time/54:52
※M-13日本盤&限定盤ボーナストラック