むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Soilwork / Verkligheten

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Soilwork / Verkligheten


スウェーデンメロディックデスメタルバンドによる11作目フルレングス。


長年屋台骨だった剛腕ドラマーDirk VerbeurenをMegadethに引き抜かれて失った彼らですが、そのDirkの弟子でもあるBestian Thusgaardという人物が加入しています。
バンドの中でも一際若く、しかもハンサムな彼の貢献は素晴らしく、Dirk脱退によるマイナス点をそこまで感じさせません。
音楽性は前作の延長で間違いなく、前作よりもブルージーなハードロックの要素が濃く出ており、メロデスに新しい光を当てています。
それは開幕アグレッシヴに畳み掛ける叙情的なメロディーが印象的なM-2“Arrival”から貫かれており、 日和った感覚はないです。
ロックンロールのビートにメロデス由来の攻撃性を合わせて美メロを炸裂させるM-3“Bleeder Despoiler”、さらにブルージーなトーンで憂いを帯びたメロディーと歌を聴かせてから後半暴虐的に変化するM-4“Full Moon Shoals”辺りのSoilworkらしさを感じる曲はさすがのもの。
冷たく荒ぶブラストの上で艶かしいギターフレーズとグロウルが荒れ狂うM-6“When The Universe Spoke”は作品のハイライトであり、広がりのあるメロディーの中でミックスされたVoが朗々と響くM-7“Stalfagel”、引っかかるようなメロディーで軽やかに疾走するM-9“Witan”辺りが華やかさを加味する新機軸になっています。
AmorphisのTomi Joutsenが客演しているつんのめるようなビートが荒々しいM-11“Needles And Kin”も聞き所ですね。
全体的には華やかである種のポピュラリティを感じる作品なので、そこが気になる方は気になるかもしれません。
ですが、曲自体は粒揃いでベテランならではの熟練さを堪能できる作品です。
ただまあ、本編にM-14“In This Master's Tale”のようなわかりやすいド直球なメロデス曲を配置していた方がより印象は良くなったのかなとも思います。
ボーナストラックである4曲の方がメロデスとして直球でもあるので。
とは言え、最高傑作ではないものの聞き応えがあるいい作品ですよ。


1. Verkligheten
2. Arrival
3. Bleeder Despoiler
4. Full Moon Shoals
5. The Nurturing Glance
6. When The Universe Spoke
7. Stalfagel
8. The Wolves Are Back In Town
9. Witan ★
10. The Ageless Whisper
11. Needles And Kin
12. You Aquiver
13. Summerburned And Winterblown
14. In This Master's Tale
15. The Undying Eye
16. Needles And Kin(Original Version)
(2019/Nuclear Blast)
Time/69:07
※M-13~16日本盤ボーナストラック(“Underworld”EP)