むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Starbreaker / Dysphoria

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Starbreaker / Dysphoria


USのメロディックメタル/ハードロックバンドによる3作目フルレングス。


TNTのTony HarnellとPrimal FearMagnus Karlssonによって結成されたバンドですが、自分が聴くのは今作が初です。
バンド名の由来はJudas Priestの名曲“Starbreaker”だと思いますが、それを彷彿とさせるのは、ガッツのあるリフと溌剌としたスピーディーなビートで駆け抜けるメロディックメタルM-1“Pure Evil”とバンド名の由来でもあるJudas PriestのカバーM-10“Starbreaker”くらいで、全体を通して北欧メタルの透明感と朗々としたVoがじっくり堪能できる作品になっています。
だからと言って弱々しいわけでは当然なく、メタリックで明瞭なプロダクションでソリッドに聴かせてくれるのが嬉しいですね。
Tony Harnellの伸びやかな声もそうですが、美麗なメロディーや力強いリフで楽しませるMagnus KarkssonのギターワークもPrimal Fearとまた違った味わいで弾き倒されています。
重厚かつゆったりと聴かせるギターと爽やかなピアノがキャッチーなM-2“Wild Butterflies”、しっとりとしたメロから壮大なコーラスへと展開する美しいバラードM-5“Beautiful One”、軽やかな疾走感と憂いを帯びたメロディーがVoの哀愁を増幅するM-6“Dysphoria”辺りの叙情はグッと胸を締めつけてきますね。
ピアノと泣きのギターがこれでもかと入り乱れて涙腺を刺激するM-9“Bright Star Blind Me”で聴けるTony Harnellの絶唱がハイライトだと思います。
粒揃いのメロディーが堪能できますが、緩急自在というわけではないので、M-1のような勢いを期待すると肩を透かされるかも知れません。
ですが、上質なメロディーが満載なので通り過ぎるにはもったいない作品です。


1. Pure Evil
2. Wild Butterflies
3. Last December
4. How Many More Goodbye
5. Beautiful One
6. Dysphoria
7. My Heart Belong To You
8. Fire Away
9. Bright Star Blind Me ★
10. Starbreaker
11. Beautiful One(Acoustic)
(2019/Frontiers)
Time/49:27
※M-11日本盤ボーナストラック