むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Tyrant Disciple / Weight Of Oblivion

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Tyrant Disciple / Weight Of Oblivion


フィンランドデスラッシュバンドによる初フルレングス。


フルスロットルで駆け抜ける類のデスラッシュで、若干メロデス寄りの作品です。
影響を受けているのは間違いなくAt The GatesとThe Crownだと言い切れるほど典型的なデスラッシュでありますが、Slayer直系のスラッシュの要素も非常に色濃いです。
かと言って質が悪いのかと言えば全くそうでなく、M-1“The Great Dead One”を聴けばわかる通り、仄かに肌寒いメロディーを纏って疾走する楽曲が目白押し。
ただこれをデスラッシュと呼ぶのかスラッシュであるのか、それは聴く人によって大きく分かれそうですね。
Slayerへの憧憬を隠そうともしないデスラッシュというよりもほとんどスラッシュメタルであるM-2“Waste”やM-3“Weight Of Oblivion”の破壊力はスラッシャーにも直撃のはず。
ドロッとしたうすら寒いメロディーをじっくり聞かせるM-5“Blood Countess”からメロデス成分が滲み出てきますが、甘さは皆無。
邪悪で寒々しいメロディーと刻みまくるリフが印象的なデスラッシュM-8“Eternal Burn”や最後を飾るスラッシーなリフが非常に渋いM-10“Funeral Veil”まで、駆け抜ける潔さがいいですね。
展開など知ったことかと言わんばかりに開き直っているので、爽快感がある一枚です。
オリジナリティがあれば尚良しですが、これはこれでコンパクトにまとまっていて単純にかっこいいですよ。
ジャケットもなかなか中二心を煽ってくれますね。


1. The Great Dead One
2. Waste
3. Weight Of Oblivion
4. Cancer
5. Blood Countess
6. Peace Of Violence
7. Long Lives The King
8. Eternal Burn
9. Bringer Of Rain
10. Funeral Veil
(2018/Inverse Records)
Time/39:24