むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Abysmal Torment / The Misanthrope

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Abysmal Torment / The Misanthrope


マルタ共和国のブルータルデスメタル/テクニカルデスメタルバンドによる4作目フルレングス。


初期の猟奇的なブルデスから、どんどん絢爛なテクデス寄りの綺麗目ブルデスに変化した前作。
今作も、その系譜は受け継ぎつつ、猟奇的な部分がほんの少し戻りました。
ほんの少し戻ったと言えど、音像は非常に明瞭であり、SICKな空気はほぼ皆無。ベースラインに、仄かに感じられる程度だなと私は感じました。
前作の絢爛な部分は大きく減退しており、序幕インストであるM-1“Revelation”に取り入れられているくらいで、実質オープナーであるM-2“The Misanthrope”は激烈としか言いようがないブルデスです。
重厚さのあるリフとけたたましいブラストがハイテンションに迫るM-3“Second Death”、少しデジタル処理を施した冒頭のノイズを叩き潰す複雑なグルーヴと鈍器のようなリフが無慈悲なM-4“Squalid Thoughts”、少しBPMを落として揺らせるようなグルーヴが心地好いと思ったら凄まじい速度のブラストビートが蹂躙するM-5“Dread”までで、貫禄あるブルデスが聴けます。
M-6“Path Of Impiety”の若干のカニコーっぽさや邪悪なメロディーがうっすらと被さる地獄絵図を繰り広げるM-8“Strains Of Brutality”、思わずガッツポーズを上げそうなリフから急転直下の重圧感に耳がいたぶられるM-9“Worship None”のかっこ良さにニヤつく人もいるのではなかろうかと思います。
抜けが良くなったプロダクションで忌避するのは勿体無い質の作品ですね。
非常に聴きやすいので、この手の入門にも割と適した作品でもあります。
ただジャケットはインパクトあるけどもっとこう、何とかならんかったのか。歌詞にはリンクしているんですが。


1. Revelation
2. The Misanthrope
3. Second Death
4. Squalid Thoughts
5. Dread
6. Path Of Impiety
7. The Pessimist
8. Strains Of Brutality
9. Worship None ★
10. The Iconoclast
(2018/Willowtip)
Time/31:22