むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Sinsaenum / Repulsion For Humanity

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Sinsaenum / Repulsion For Humanity


UK/US/ハンガリーデスメタルバンドによる2作目フルレングス。


Frederic Leclercq(DragonForce)がJoey Jordison(Scars The Martyr,Vimic,ex-SlipKnoT)と共にデスメタルバンドをはじめたと話題になったバンドで、早くも2作目になります。
Attila Csiharは多忙のため、今作はバッキングに回っており、メインのVoはSean Zatorskyになっています。
作風は前作と変わらず、Fredericの趣味全開のデスメタルですが、おそらくJoeyの趣味でもあるCeltic Frostのような重苦しさが少し増しました。
そしてSEにも頼っていた前作と違っていて、そういった演出は極力削除、よりバンド感を強めた形になっています。
M-1“Repulsion For Humanity”のオープナーに相応しい暗黒臭強いデスメタルであっても、Fredericのギターにはどこか華々しさがあるのがこのバンドの個性。
重厚なビートでゆっくり進軍するボトムズの上で妖しくおどろおどろしいギターが舞うドゥーミーなM-4“I Stand Alone”、小気味良いスネアとブラストが効いた疾走するM-5“Rise Of The Light Bearer”、鐘の音が鳴る中で奈落で蠢くようなドゥームデスとロック的なグルーヴが巧みに交錯するM-6“Manifestation Of Ignorance”のミドルの効かせ方はさすがに名うてのメンバーが集まるバンドなだけありますね。
ガリガリと耳を削るギターのユニゾンから鼓舞するドラムで悠然と迫るM-8“My Swan Song”、邪悪なメロディー遣いで神経を逆撫でするような妖しさを全面に押し出したM-11“Forsaken”はバンドの結束を感じさせる長尺曲です。
全体的な空気はよりアンダーグラウンドになっているのに妙な風通しの良さがなかなか癖になりますね。
真性なヤバさはそこまで感じないのですが、実直でクオリティの高い作品だと思います。
メンバー皆多忙なのに片手間感が一切ないのは、デスメタルへの確かな愛情と敬意を感じさせるからでしょうね。


1. Repulsion Of Humanity
2. Final Resolve
3. Sworm To Hell
4. I Stand Alone
5. Rise Of The Light Bearer
6. Manifestation Of Ignorance
7. Sacred Martyr
8. My Swan Song
9. Nuit Noire
10. Insects
11. Forsaken
12. Symbiosis
(2018/earMUSIC)
Time/67:38
※M-12日本盤ボーナストラック