Odyssey Desperado / Don't Miss The Sunset
ギリシャのメロディアス・ハードロックアクトによる初フルレングス。
アートワークが示すように、夕暮れの一瞬を捉えたかのような素晴らしいメロディーが詰まっています。
ギリシャ人のOdyssey Desperado(Odysseas Karapolitis)というギタリストが主軸となったプロジェクトで、参加メンバーにOutloudやFirewindで名を上げたBob KasionisやDanger Dangerで有名なPaul Laineがいます。
とにかく真っ直ぐで爽快感たっぷりの80年代っぽいキラキラしたメロディーが持ち味で、真新しいことは何もないですが、M-1“Rush Of The Waves”に撃ち抜かれる感性の持ち主なら外れることはないでしょう。
シティポップに寄せたM-3“Cruisin'”のスムーズさや、哀愁を滲ませて美しいギターソロが吹き荒れるM-6“Oasis(In The Desert Of Your Soul)”、ゆったりしたテンポでじっくりギターをピアノに絡ませ聴かせるバラードM-10“Wings Of Silk”のメロディーを押し出した曲は単純に素晴らしい。
線が細いVoも、キラキラと煌めくような哀愁度の高いメロディーとの親和性が極めて高いので、耳障りな感触は一切ありません。
勿論、ドがつくほどキャッチーなアップテンポの曲が主軸であって、コーラスが爽快なM-4“Dream Die Hard”、タイトル通りの触れたら壊れそうに繊細な前半を切り裂くような躍動感が曲を支配するM-8“Fragile”、スタジアムロック的に豪快なリズムと展開に身体が踊るM-9“Tomorrow You'll Be Gone”などは否応なく反応してしまうのではないでしょうか。
真っ直ぐにメロディーをてらいなく聴かせる作品ですので、万人にオススメしやすいのもポイントですね。
メロハーというジャンルに精通している方には物足りないところはあるかも知れませんが、私は結構気に入りました。
普段ささくれ立ったものをよく聴いているせいか、非常に耳に優しく感じますね。
1. Rush Of The Wave
2. You And Me Against The World
3. Cruisin'
4. Dreams Die Hard
5. Can't Live Without You
6. Oasis (In The Desert Of Your Soul) ★
7. Holding On To A Dream
8. Fragile
9. Tomorrow You'll Be Gone
10. Wings Of Silk
（2018/Lions Pride Music）
Time/43:50
