むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Craft / White Noise And Black Metal

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Craft / White Noise And Black Metal


スウェーデンブラックメタルバンドによる5作目フルレングス。


ShiningやWatainに在籍していたメンバーもいるためか、何気にカルトなファンベースを持っているバンドですが、実は聴くのは今作が初めて。
速度を出すこともあれど、全体的には暗黒的で冷たいメロディーをトレモロピッキングで悠然と聴かせるスタイルの作品です。
何曲か聴いた過去作と比べると、特に初期にあったフィンランドブラックみたいなチンピラ感漂うパンキッシュな要素はかき消え、壮大でじっくり聴かせる路線に転換しています。
特にオープナーのM-1“The Cosmic Sphere Falls”で聴ける神秘的で邪悪に渦巻くメロディーの美しさはなかなかのもの。
複雑怪奇なフレーズを流麗に流す長大で展開も多いM-3“Undone”、直線的なロックンロールのダイナミズムで身体を揺らせる感覚が新鮮なM-5“Darkness Falls”はフレンチブラックに感化されたような印象も受けますが、古き良きブラックメタルの質感を保ったまま幕を下ろすM-9“White Noise”は単純に格好いいです。
退廃的で弾むようなリフが心地好くヘヴィに迫るM-4“Tragedy Of Pointless Games”、密室で悪魔が呻くようなギターが不気味でスタスタと疾走する箇所も渋いM-7“Shadow”の冷たい感じ、刺さる人は絶対刺さると思います。
惜しむらくはキャッチーで一気に聴かせるタイプの作品ではないということ。
わかりやすいリフで爆走する曲はありませんが、じんわり冷たさが侵食していく長く付き合うことで真価を発揮する作品ですね。
Season of Mistから出たと聞いて納得しました。


1. The Cosmic Sphere Falls
2. Again
3. Undone
4. Tragedy Of Pointless Games
5. Darkness Falls
6. Crimson
7. Shadow ★
8. White Noise
(2018/Season of Mist)
Time/42:18