むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Alterbeast / Feast

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Alterbeast / Feast


USのテクニカルデスメタルバンドによる2作目フルレングス。


爽快感抜群のデビュー作でデスコアファンからテクデスファン、一部のメロデスファンまで虜にした彼らですが、今作でもThe Black Dahlia Murderに多大な影響を受けたエモーショナルなテクデス路線は変わらず。
むしろ、よりブラダリ化が推し進んでいます。
前作からメンバーも変わっていて、今作では客演で、Alex Bent(Trivium/Brain Drill)が全曲ドラムを叩いています。
統制されているTriviumでは聴けないような粗野で突っ込むブラストビートの嵐が心地好いですね。
Voも変わっており、前任者よりもグロウルが野太く、ジャケット通りの野獣の咆哮のような迫力があります。
とは言え、Alterbeastと言えばメロメロにピロピロとシュレッドしまくるギターであり、今作は前作よりも強調されています。
暴虐性が反比例しているのかと言えば全然全くそんなことはないのでご安心を。
イントロにクラシックを用いるのはこのバンドのアイデンティティな気がしてきたM-1“Welcome To Your Doom”の突進力が最後のM-9“Upon The Face Of The Deep”まで持続するので、前作よりもランニングタイムは少し長いですが瞬発力のある作品ですね。
M-8“Where Dead Angels”でDissectionのカバーをしてみたり、メロディーに寒々しいブラックメタルを彷彿とさせたりと、何もそこまでブラダリ化しなくてもと思ったりしますが、強烈かつ凶悪なブレイクを挟みつつ爆走するM-2“The Maggots Ascension”やひたすらに粒の大きいブラストとズタズタにリフ塗れにされるM-5“Vile Skin Possession”といった曲では遺憾無く極悪に攻めてくれます。
ブルデス寄りにブレイクを入れてくるM-4“Feast”はデスコアファンも嬉しくなるのではないかと思います。
DissectionのカバーであるM-8から続くM-9“Upon The Face Of The Deep”はメロブラ並に悲愴感たっぷりのメロディーが聞けるのが、次作への布石なのかも知れません。
ブラダリ化が進んでいるので個性に乏しいのかと言えば、異様にメロディアスなソロをぶちこんだりするので、案外いそうでいないんですよね。
針の穴を通すような絶妙な立ち位置にいると思うので、更なる深化を期待しています。
次はもう少し早めに新譜聴きたいものです。


1. Welcome To Your Doom
2. The Maggots Ascension
3. Black Flame Illumination
4. Feast
5. Vile Skin Possession
6. Apex Night Eclipse
7. Coffin Crescendo
8. Where Dead Angels Lie
9. Upon The Face Of The Deep ★
(2018/Unique Leader)
Time/38:06