むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Masters Of Disguise / Alpha/Omega

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Masters Of Disguise / Alpha/Omega


ドイツのスピードメタル/パワーメタルバンドによる3作目フルレングス。


Savage Graceというバンドをご存知でしょうか。
80年代に精力的に活動していたバンドで、2枚のアルバムを残して解散したスピードメタルのカルト的なバンドです。
そのSavage Graceの1stが“Masters Of Disguise”であり、このバンドのバンド名の由来になっています。
加えて彼らの主要メンバーはSavage Graceのライヴメンバーで構成されており、今作には一部の楽曲ではSavage GraceのChris Logueが楽曲提供していることもあって、実質的にSavage Graceの変名に近いです。
前作までのアートワークに出てきた保安官のおっさん(Knutson)は“Masters Of Disguise”のジャケットのおっさんですしね。
今作の話に戻すと、まず飛躍的にプロダクションが向上して音が厚くなりました。
ドラムがやけに溌剌としていて、音が若々しいです。
さらに以前よりVoに艶が出て来て、パワフルで非常に伸びやか。
アートワークも以前と違って、より邪悪で禍々しくなっているのも決意表明か、時にスラッシュメタルに肉薄するほど攻撃的です。
それは実質オープナーであるM-2“Sacrifice”から明白で、一気に爆走するスピードメタルM-5“Killer's Redemption”やJudas PriestやIron Maidenへの憧憬を色濃く残したM-6“Sign Of The Cross”と非常にアグレッションを重視した楽曲が耳に楽しいです。
ツインリードによるほの暗い叙情をスラッシュビートに乗せて疾走するM-8“Witchhammer”はArtilleryのようでもあります。
悠然と邁進するような重厚なM-4“Shadows Of Death”や、ザクザクしたリフが気持ち良すぎる面白い拍で展開するM-9“Knutson III:Nemesis(I Am The Law)”といった凝った曲ではVoの歌唱力も光ります。
煮えたぎるアグレッションを最後まで損なわず走り抜ける、素晴らしい作品ですね。
ちなみにSavage Grace“Masters Of Disguise”は名作ですよ。


1. The Rise(And Fall)Of Kingdom
2. Sacrifice
3. Demon From The Past
4. Shadows Of Death
5. Killer's Redemption
6. Signs Of The Cross
7. Alpha/Omega
8. Witchhammer ★
9. Knutson III:Nemesis(I Am The Law)
10. The Leech
11. Blackwitch(Exciter Cover)
(2017/Limb Music)
Time/54:09