むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Vintersorg / Till Fjalls,Del II

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Vintersorg / Till Fjalls,Del II


スウェーデンヴァイキング/フォーク/ペイガンメタルバンドによる10作目フルレングス。


BorknagarのVintersorgによるソロプロ
ジェクトです。
ちなみにVintersorgとは“冬の哀しみ”という意味。
Borknagarのプログレッシブな薫り高い音楽性とは異なり、こちらはより土着的な音楽性であることも知られています。
前作はかなりブラックメタルに寄ったフォーキッシュながらもストレートな作品でした。
そして今作は10作目の記念碑的な作品という意味もあってか、デビュー作“Till Fjalls”の続編という位置付けです。
“山々へ”という意味を持つタイトル通り、前作よりも格段に土着的で自然への畏敬を感じさせるメロディーが詰まっています。
トレモロ吹き荒ぶギターの嵐も、特にM-1“Jökelväktaren”のように、まさに風の音のような挿し入れ方をしていたりていて職人的な拘りを感じますね。
BorknagarではICS Vortexばかりが注目されてしまうのですが、VintersorgことAndereas Hedlund氏もかなりの美声と強靭なグロウル/スクリームを操るシンガーなんですよね。
朗々としたクリーンと邪悪なハーシュの掛け合いを堪能できるM-2“En väldig isvidds karga dräkt”や雪深い山々を歩いているようなM-3“Lavin”の堂々たるヴァイキングソングはただただ耽溺できるばず。
たまに使用されるピアノの美しすぎるメロディーは、たまらなくキャッチーです。
M-4“Fjällets mäktiga mur”のメランコリックなピアノから一気にブルータルなブラックメタルに爆縮する様は今作のハイライトの一つ。
心地好い疾走と共に美メロが吹き荒れるM-6“Vinterstorm”や重厚なバッキングと軽やかなアコギが入り交じるM-7“Tusenåriga stråk”といった中盤の流れは完璧。
全体的に隙のないさすがの完成度で、この手の音楽性が好きな方にはたまらないアルバムだと思います。
特に初期の寒々しいメロディーラインが好きな方にこそオススメしたい作品ですね。
ちなみに2枚目は新作EPとのことで、本編と関連するかは不明です。


1. Jökelväktaren
2. En väldig isvidds karga dräkt
3. Lavin
4. Fjällets mäktiga mur ★
5. Obygdens pionjär
6. Vinterstorm
7. Tusenåriga stråk
8. Allt mellan himmel och jord
9. Vårflod
Time/51:21

“Tillbaka till källorna”
1. Tillbaka till källorna
2. Köldens borg
3. Portalen
4. Svart måne
Time/24:59
(2017/Napalm)