むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Ded / Mis-An-Thrope

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Ded / Mis-An-Thrope


USのオルタナティヴメタル/ニューメタルバンドによる初フルレングス。


去年辺りから、Kornを源流とする90年代モダンヘヴィネス、つまりニューメタルが再び流行りはじめています。
新世代として若き帝王に君臨するKing 810、Gemini SyndromeやCane Hill等といったバンドも人気ですね。
そしてこのDedもその流れに位置するバンド。
音楽性は、KornLimp Bizkitは勿論のこと、Linkin ParkSlipknotをしっかり咀嚼しています。
ただニューメタルにおいて重要な要素である溜めの部分は幾分控え目で、ガチャガチャしたミクスチャーの要素やフットワーク軽めの疾走感が持ち味。
これがなかなかの癖なのに、出来上がったのはニューメタルそのもの。
大きなリソース元にSlipknotがいるのはあからさまで、彼らの名を知らしめることになったM-4“F.M.F.Y.”は、もうどう聴いてもSlipknotだったりします。
そのため、オリジナリティはあまり感じないわけですが、時々Djent染みたリフを挟んだりするのは今を生きているバンドなんだな、と嬉しくなりますね。
神経を引っ掻くようなメロディーを軽妙なリズムとエモいVoで聴かせるM-5“Remember The Enemy”といった曲はうっすら彼ら特有のものを出そうともがいています。
ガリガリと引っ掻くDjentっぽいリフがニューメタルとよく合うM-7“Rope”や触れたら壊れそうなほど繊細なバラードM-11“Beautiful”など、後半の方が類型から離れつつあるのでこれからが楽しみになる一枚ではあります。
猟奇的な閉塞感漂う音作りは、リバイバル勢の中でも最もニューメタルに近いものではあるので、この小気味よい疾走感をどう昇華し折衷していくのか、そういった期待感が持てた作品でした。


1. Architect
2. Anti-Everything
3. Dead To Me
4. F.M.F.Y.
5. Remember The Enemy ★
6. Disassociate
7. Rope
8. Hate Me
9. I Exist
10. Inside
11. Beautiful
(2017/Suretone)
Time/37:16