むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Yggdrassil / All Shall Burn

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Yggdrassil / All Shall Burn


スペインのヴァイキングメタル/メロディックデスメタルバンドによる初フルレングス。


ジャケット通りの雄々しく壮大な戦士の物語を軸に練り上げたヴァイキング/メロデス
つまり、Amon Amarthに影響をかなり受けた音楽性です。
その完成度は高く、単音リフ主体の叙情メロディーの漢泣きを呼び込みそうな曲作りは、日本人受けすると思います。
ロディックな曲に対比する形で、ブラスト主体のドラムや深みのあるグロウルは結構ブルータル。
このバンドの要はギターだと思います。
前述のリフ主体のメロディーの構築センスはなかなかのもので、オリジナリティを確立するには至っていませんが、非常に丁寧に組み上げているので、聴いていて心地良い。
この手のバンドでは珍しく、リードとリズムがはっきり分かれているのですが、ツインリードではないからと物足りなさは感じさせません。
むしろ時にリズムギターの方がセンスあるんじゃ?と思えるほどに、押し引きが絶妙なんです。だいぶ職人的にリードを盛り上げてくれるんですよね。
典型的Amon Amarthな熱いメロデスを聴かせてくれるM-3“End Of Cycle”でも、リズムからさりげなくリードにハモってみせたりします。
重厚なリフからアモアマ愛に咽び泣くM-4“The Horde Above All”やクサメロを絡めていくM-6“Battle In The Storm”といった曲ではヴァイキングメタルの醍醐味でもある悠然とした世界観を聴かせてくれます。
“Drink!”だの“Kill!”だのといった頭悪くなりそうなコーラスを爆走と共に叫び続けるM-10“Yuletide”でアルバムを〆にかかる辺り、勢い一辺倒で作っていないんだな、と。
Amon Amarthまんまなのでまだまだ彼ららしい独特さはないですが、安定した演奏を聴かせてくれるので、これからが楽しみになる作品ですね。
後は音のクオリティに仮装のクオリティが追いつけば言うことなし。
たぶん、全体的に汚れ方が足りないんだと思います。


1. Körangar
2. All Shall Burn
3. End Of Cycle
4. The Horde Above All
5. Slaughter Of The Dragon
6. Battle In The Storm
7. Shield Wall
8. One Last Ride
9. Andvarinaut
10. Yuletide ★
(2017/Art Gates)
Time/48:19