むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Suffocation / ...Of The Dark Light

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Suffocation / ...Of The Dark Light

USのテクニカルデス/ブルータルデスバンドによる8作目フルレングス。


テクニカルデス、ブルータルデス双方の雛型を作り上げたバンドの一つとして未だに君臨し続けています。
前作でデスコア等若手のフレッシュな空気を持ち込みモダンなデスメタルにシフトし、賛否両論分かれました。
今作もその路線の発展型ではありますが、完成度は段違いです。。
新しく加入した若手ドラマーの八面六臂のドラミングはMike SmithやDave Curlossほどでないにしろ、タイプとしては両者の中間ぐらいの感じですね。
やけにメロディックに聴かせてくるギターの影響で、叙情的とすら言われるかもしれない。
実際、タイトルやアートワークから想像されるような透徹した雰囲気は過去最高です。
邪悪さは前作より戻っていますが、かつての血生臭さがほぼなく猟奇的な作風でなくなったのは一抹も寂しさを覚えますし、そもそもこの方向性をSuffocationに求めていたかは別の話なわけですが。
うっすらと暗い叙情を持ち込んだM-2“The Warmth The Within Dark”のように新機軸を打ち出しながらもらしさを感じさせる獰猛リフと削岩機のようなブラストで押し出す曲は単純にかっこいいです。
ブルータルに突進したかと思えば執拗にダウンパートに突き落とすようなM-6“...Of The Dark Light”も派手で楽しいですね。
猟奇的な邪悪さを欲すればまだ物足りないですが、何度か繰り返して聴くとベテランならではの磨き抜かれた透徹した狂気は確かに感じ取れる作品です。

1. Clarity Through Depravation
2. The Warmth Within The Dark ★
3. Your Last Breathe
4. Return To The Abyss
5. The Violation
6. ...Of The Dark Light
7. Some Things Should Be Left Alone
8. Caught Between Two Worlds
9. Epitaph Of The Credulous
(2017,Nuclear Blast)
Time/35:17
※プラケース、折り畳み式歌詞ポスター付。