Aeges / Weightless
USのストーナー/ヘヴィロックバンドによる3枚目フルレングス。
元PelicanのLarry Herweg、Juliette And The LicksのKemble Waltersを中心に結成されたバンドです。
MastodonとCave Inを足したようなストーナー寄りのヘヴィネスを響かせる音楽性。
Pelican寄りのミドルテンポのグルーヴで蜷局を巻きながら、ブルージーなトーンのメロディーでじわりじわりと滲んでいくスタイルなので、日本じゃイマイチ受けにくいかも知れません。
ですが、ポストHCみたいに爽やかかつざらついたVoは非常にかっこいいですし、歌心を大事にした、丁寧に構築された楽曲もなかなかの出来映え。
一番の聞きどころは、M-12“Listening”のように、歌い上げるパートから急激に泥濘のグルーヴに叩き落とすような構成。
この辺りは、Mastodonに非常に強い影響を受けているように思います。
ブルースに根差したアメリカーナのような雄大さと朴訥さが重厚な音像からこぼれ出す感覚も、所謂“アメリカンロックの良心”と時折評されるバンドと似たような安心感がありますね。
個性的とは言えませんが、安定した演奏と仄かに哀愁を滲ませるメロディーが楽しめる好盤だと思います。
欠点は、本当に地味だということくらい。
ポストグランジ寄りのインディーロックにヘヴィネスが伴ったら?という問いへの解答のような作品なので、好きな人は好きだと思います。
1. Weightless
2. Save Us
3. A Reason Why
4. Clear
5. All Of Me
6. Another Wasteland
7. Echoes
8. What If
9. Nothing To Prove
10. Better
11. Drown
12. Listening ★
13. Drying Out
(2016,Another Century,Century Media)
Time/58:49
※デジパック、歌詞ポスター付。