むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Shadecrown / Riven

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Shadecrown / Riven


フィンランドメロディックデスメタルバンドによる2作目フルレングス。


スピードに頼らないじっくりと聴かせるタイプのメロデスで、Dark Tranquillity、Insomniumと共通項を見出だしやすいバンドだと思います。
冷たく透き通ったメロディー使いは北欧メロデスの真骨頂といった趣であり、M-1“Not Until The End”の切ない銀盤を覆い被さるように分厚いギターが唸りを上げる幕開けからして素晴らしい。
雄大なギターメロディーを押し潰す暴虐的なヴァースとの対比が壮大なM-2“Lifelong Dying”、冷たく邪悪な空気をガッシリしたリズムで演出しつつ扇情的なメロディーと感極まった絶唱で聴き手を煽るM-3“Rain's Edge”、ゴリゴリと削るようにドライヴするベースに反して飛翔するギターが浮遊感のある空間を表現するM-4“The Ghost I Mourn”の前半の流れで今作がどういう作品かがわかります。
しゃがれたVo以上に雄弁に語るギターがまさにメロデスの躍如としています。
ゆったりとした美しいギターに息を呑むほど精神が溶け入るようなM-5“Incomplete”の絶望的なメロディーは在りし日のSentencedを思い出して目頭が熱くなりますね。
ロディックドゥームのように沈み込むメロディーが美しく退廃的なM-7“Divided”やM-8“Traces”の地続き感のある展開で作品を〆る手法は次作への展望が少し伺える気がします。
決して派手ではない、むしろ地味ですが丁寧に織り上げられたメロディーの美しさは一線で活躍するバンドと比べても遜色ないです。
分離の良いクリアなプロダクションも良好で、メロディーの儚さを際立たせています。
冷たく儚いこれからの季節に合った作品ですね。


1. Not Until The End
2. Lifelong Dying
3. Rain's Edge
4. The Ghost I Mourn
5. Incomplete ★
6. Hate Reflected
7. Divided
8. Traces
(2019/Inverse)
Time/44:55