むじかほ新館。 ~音楽彼是雑記~

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Diesear / BloodRed Inferno

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Diesear / BloodRed Inferno


台湾のメロディックデスメタルバンドによる3作目フルレングス。


前作、前々作が結構話題になっていた記憶がありますが、私が聴くのは今作が初です。
彼らの音楽性はArch EnemyやGyzeなどメロディーの奔流に呑み込まれるようなタイプのメロデスですが、どことなくThe CrownやThe Hauntedのようにデスラッシュ的な勢いもあると思います。
噛みつくようなグロウルもその傾向に拍車をかけていて、全体的に勢いのある衝動的な作品に仕上がっていますね。
M-2“Across The Acheron”から伺えるように、彼らのメロディーにはブラックメタルのように冷たく邪悪なものが潜んでいたりして、同郷のChthonicの影響も感じます。
デスコア的な獰猛さに泣きのギターを配合したM-3“Carnal Sinners”の慟哭や、甲高く雄叫びを上げるギターを狼煙にして暴虐的に突っ込んでくるデスラッシュM-4“BloodRed Inferno”、しっとりとしたギターの入りが微かなシンフォニーを纏いつつ乱舞するM-6“Endless Dolour”、耳を引くフレーズとゴリゴリのベースが心地好く荒ぶる緩急があるM-9“Hellish Crucifix”と、ハイテンションのまま駆け抜けていきます。
速い曲が大半であり、コンパクトにまとめられているのであっという間に聴き終わる爽快感ある作品ですね。
反面、勢い任せでどこか垂れ流しのような感覚もあるのですが些末かな、と思います。
精密な、メリハリのあるストップゴーだったり、システマチックな演奏で聴かせたりが好きな方には不向きな作品とも言えます。
ギターが弾き倒されるタイプの叙情的なメロデスが好きな方にはオススメです。


1. Limbo
2. Across The Acheron
3. Carnal Sinners
4. BloodRed Inferno ★
5. Blind Faith
6. Endless Dolour
7. Soul Of The Greed
8. Treachery Has No Conscience
9. Hellish Crucifix
10. Purgatorio
(2019/ eOne)
Time/34:54